客層

その夜の客層は、遠方から訪れる公務員、セクキャバ嬢、同業者、気前の良いおじさんといった顔ぶれで、来店数は20人に満たなかった。


一人あたりの単価が高いのだろう。


綺麗なお姉さん(おかま)たちを引き連れてたくさんシャンパンをおろしてくれるはげたおっさん。


なぜああいうひとはなぞに関西弁なのだろう。


どこか漫画じみた光景だったが、こうした「お約束」感がこの業界の味なのかもしれない。


仕事といえば、彼ら彼女たちとお喋りをしたり、ピッチャーをおねだりしたり、一緒にカラオケを歌ったりすることが中心だった。


お酒を作るほうが少なかったくらいだ。


というか、印象的だったのはスタッフの相槌の速度。


相槌の代わりにコールしてたような気がする。「うんうんうん。そうだね」が流れるように出てくるから、会話のうすっぺらさが目立つ。


でもそれを感じさせないのがプロなんだろう。ボクにはよくわからいない。


「お前ほんとに話聞いとんか」って時々突っ込みたくなる。


知らない飲みゲームでボロ負けしたり、ボードゲームやダーツでお客様と戯れたりするのはなれてしまえばルーティーン。


まぁ鏡月のお茶割りだから、酔うほど飲んでないないし、いくら飲まされても平気ではあったが、さすがに次の日はのどの調子がよろしくなかった。煙草も吸ってないのに。

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