両片想いは嫌われたくない!

ゆきやこんこん

1章 嫌われたってよ

第1話 プロローグ


 優しい人

 

そう言われた。

一般的には聞こえはいいし、褒められると感じると思う。だけど、それが恋愛についてだったら?


――――――――――


 その言葉を使われたのは、数ヶ月前、中学3年最後卒業する直前のことだった。


 僕は昔から好きな人がいる、その人は “柊 花蓮ひいらぎ かれん”さん、小学生の頃から同じ学校で、小学生の頃は別にそこまで仲が良かったわけじゃないけど、用事がなくても話す程度の仲だった。


 仲良くなっていったのは中学生になった頃、僕はアニメや漫画、ラノベなどいわゆるオタク文化と世間では言われるであろう物がとても好きだった。そのせいでクラスで浮いていたわけでもなく、普通に学校生活を送っていたけれど、話が分かる人が少なくて少しだけ寂しかった。


 だけど、話してる中でこっそりアニメのネタを出して布教しようとしてるところで反応してくる人がいた。それが柊さんだった。


 柊さんは僕と同じオタクと呼ばれる人で、メジャーな作品から、マイナーな作品まで幅広く見ていて、これまで学校でこういった事を話せる人がいなかったのでとても嬉しかったし、初めてできた女の子の友達で、距離が近いこともあって好きになってしまうのは当然だった。


 けれど、僕桜井 楓斗さくらい ふうとは名前に入っている有名アイドルのようにとてもイケメン!!

…という訳でもなく顔は良くも悪くも普通で、身長も「170cmです!」と見栄を張る169cmの別に何か特技がある訳でもない強いて言うなら、小さい頃から「優しいね」と言われ続けた心優しき一般学生。


 対する柊さんは、セミロングの黒髪であどけなさが残るものの綺麗で整った顔立ち、身長は155cmと小さく、それでいてまぁスレンダー(マイルドな表現)な体型でそれがよりいっそう可愛さを引き出している高嶺の花と言っても過言ではないほどの美少女である。


 それでも僕は、多少きつい言い方もする所もあるけど、それでも感じる優しさとか、きつい言い方をした時に傷ついた振りをすると慌てるところなど、話をしていくうちにDANDAN心惹かれていき、気づけば中3になっていた。


 中3になった僕は卒業式の日柊さんに告白しようと決心した……だがその卒業式直前に事件は起こった。


 受験も終わって後は卒業式だけを残したある日、僕は教室に水筒を忘れたので教室に取りに帰ろうと教室に戻ると、教室の中で柊さんと友達の友子さんが何かを話していたので廊下で止まってしまった。


「……好き…人…タイプ…?」

「…………かな?」


 何やら恋バナをしているようなことが聞こえるけれどよく聞こえないのでちょっとだけ教室に近づいた。


「……う〜ん、じゃあ!桜井君は?よく話してるじゃん!」


 なんと、自分の話をしているのを聞いた僕は好きな人が自分の事をなんと思っているのか気になったので、これだけを聞いてから教室に入ろうと思った……


 だが、聞いてから入ろうと思ってしまったのが最悪だった……


「や、優しい人だけど!好きとかじゃないから!!!」


 僕は走って教室から離れた。

僕が好きな人は僕のことは好きではないと断言していた、ショックだった、何も聞こえないように耳を塞いで走って家まで帰った。


 柊さんは言っていた、「好きではない」とそう断言していた、そしてもう1つ最悪なことも言っていた、それが


「優しい人」


 最悪だ……

 褒められていると普通の人なら思うだろう、だが僕は知っていた、「優しい人」というものは、『特に言うことがないけど、何か言ってあげないと可哀想』な人に言う言葉であり、僕はそれを沢山見てきた(漫画で)しかも、その後に好きでないと断言しながら叫んでいた……

 

 ……そう、つまりは

優しい人どうでもいい人

 ということである。


考えてもみてほしい、まず自分に好意がある場合…いわゆる“脈アリ”って状態だった場合、その人を褒める時「優しい人」なんて表現だけで済ますだろうか……

済ますわけがないね!!!そして、そもそも好きではないと叫んだ!はい!2倍役満!!!(錯乱)


 つまりは、脈ナシって訳!!!!


 死にたい……

 

 ちなみに水筒は忘れた

 

――――――――――


 僕は結局、告白するのは諦めた

 こんな事を言われてできるわけが無いけど、ここで話さなくなったり、無視したりするのは嫌だったから

話を普通にしていたがとても気まずかった。


 だけど、卒業したら別の高校に行くとので僕は耐えた。その後の休みの日も失恋の痛みに耐えて耐えて耐え続けて……


 そして、ついに高校の入学式の日になった。


 高校生になって、心機一転新しい恋を探そうと教室に入った、知ってる顔が全く居なくて「ここから、青春が始まる!」とか考えながら自分の席を探していると、何かすごく驚いている女の子がいる。


「……!?!?」


 その驚いている人は柊さんにそっくりで、可愛らしい顔に可愛らしい体型(マイルドな表現)、小さな身長……そして目を引く


 金髪だから、柊さんじゃないか……それにしても柊さんにそっくりすぎる。そう思っていると……


「ひ、久しぶり、楓斗…」


 ………喋ったァァァァァァ⤴︎ ⤴︎


 そこにいたのは、黄色いスポンジではなく髪を金髪に染めた柊さんだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



始めての投稿緊張する……


ゆきやこんこんと申す者です!

対戦よろしくお願いします(?)

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