考えを積む

学生作家志望

のんき

「頭の悪い学校にきてしまった、こんなつもりじゃなかったのに。みんなそう言うんですよ。」



ステージの上でそう、先生が言った。


僕が通う学校は正直頭が良くない。


偏差値とかいうやつがそれを証明してくれてる。僕たちにとってはくだらないレッテルだ。粘着力がしっかりとある。


でも先生が言う「頭の悪い」は僕にとっての考え方とはまた違った視点から来てるものだった。


つまり、偏差値というレッテル意外のことである。


それは宗教系の学校であるということだ。僕の通っている学校はある宗教について学んでいる学校で、それを先生が「頭が悪い」と言ったのだ。


だけど先生はそんな学校の先生だ。僕たちの、1人の先生だ。ならなぜこの学校にいるのか。


まあ色々事情はあるんだろうけど、少なくとも先生は僕たちのことを頭が悪いとは思ってなさそうだった。


だって先生は僕たちの通う学校を「立派」だと言った。僕たちの姿勢が、価値観が、態度が、素晴らしいと言った。


努力もせず真面目じゃない、、僕たちのことをそう言ったんだ。なんで?どうして?


それは先生の過去に重なっていたからだった。


「最初、受験をサボってしまって宗教系の学校に入ってしまった時、後悔をしました。頭の悪い学校に来てしまったと。もっと努力をすればよかったと。」


「でもそこでしかわからなかったこともあったんです。それは、格差でした。頭が悪い、頭が悪いと言われて、馬鹿にされて、宗教系の学校だからと友人からいじられて、悔しかったんです。」


「だから今まで努力してなかった分、見返してやるために努力をしてみることにしたんです。そうして先生になれた。」



「今は、悩んでください。悩んでいいんです。高校生なら何回も考えてくじけて、泣いていい。でも自分だけは捨てないでください。」


「社会にたてば、理不尽などいくらでも経験することになります。」

「頭が悪いとバカにしてくるやつがいても、みんなからそんなことを言われても、少しの勇気で声を出すことで、きっと変わるでしょう。」



普段はふざけて、話を聞かない奴らも寝ている奴らも、真面目にノートにメモっているのが、横を見なくともわかった。


僕たちは決して立派なんかじゃない。目の前に残された問題こそ、人より倍ある。


それでも諦めなければ、今からでも夢を掴めるのではないか?


すごくのんきな考え方かもしれないけど、きっとそれが僕たちの最大の武器なんだ。


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考えを積む 学生作家志望 @kokoa555

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