スーパーハッピーエブリデー
藤根
1月1日
朝起きると、毎年同じ味のするお雑煮が用意されていて、まだ寝ぼけた頭で口に運んだ。もう21歳になるけど、親戚の中ではほぼ最年少で、恥ずかしい話、まだお年玉をいただいている。正直助かる。
兄が新社会人になった年で、ボーナスの使い方について、祖母に小言を言われていた。彼は極端にマイノリティ側に立つことがあり、私はそれを限りなく尊重するべきだと思っているので、「普通は」という枕詞で家族が兄を諭すのが嫌いだ。
一悶着があり、疲弊した表情の兄をみるとやっぱり悲しくなって少し涙が出た。
気分転換に出かけよう、と母が言い、私は悲しい気持ちを誤魔化すように、顔作ってくる(化粧してくる)から10分待って、と洗面台に向かった。
冬の山道は好き。軽い雪が枝に積もって、満開の真っ白を纏った木々が美しい。たまに猿がいる。三半規管が絶妙に弱いので、ここでだけ車酔いする。父の運転はうまいけれど、山道だから仕方がない。頭がいたい。
ドラックストアで簡単な買い物をして、お昼にしようとコメダ珈琲店に向かった。時間もあってか、あまりに混んでいて、他の店を探そうとしたけれど、近くの店はどこも休業だった。元旦ってそういえばそうじゃん。
やっと呼ばれて席についたものの、店は変わらず忙しそうで料理はすぐにこない。家族はすでに疲れていて、気まずそうな表情で水を飲んでいる。こういう時、空気に耐えられなくて話だすのはいつも私だ。コメダ珈琲店でのエピソードトークがあってよかった。
車に戻って家までの帰路、隣の兄が寝ていたので、私は静かにスマホを見つめていた。
先輩の2024年の日記を見つけて、読み始めた。気づいたら家についていて、充電は残り15%だった。充電器に繋いで、ソファで続きを読み進めていると、今度は気づいたら夜になっていた。
その日記は、日記だから当たり前なのかもしれないけど、あまりにリアルで、引き込まれてしまった。魅力的な言葉をつかう人だと、話す時や連絡を取るときに思っていた。
日々の寂寥感が伝わって、正しい表現ではないかもしれないけれど、抱きしめたくなってしまった。
現実で言葉にしたら、いくらでも語弊が生まれるとは思うけれど、とても素敵で興味深くて、仲良くなりたくて、好きな人だ。
好きとか嫌いに、種類があることは便利なようで邪魔な感じが、最近すごくする。すべてに自分の考えをベースに当てはめてしまう人がいるから、余計な前置きをしなくてはならない。気持ちわるいね。この話は長くなるから、別でまとめて書きたい。
私の好きな人たちが、日々を楽しめていないのなら、私が楽しくしたい、と思う。エゴでしかないけど。会って話したい気持ちでいっぱいになって思わず連絡した。
日記が良かった話がどうしたら伝わるかわからなくて、ただ一気に読んで気持ち悪いですよね、と反応に困るだろう報告だけしてしまった。気持ちわるいね。
そんな日記に触発されて、今こうして一旦かいてみてる。
少しだけテスト勉強を進めて、好きなバンドのライブ映像を見て、年始のお笑い番組を流しながら、今日を振り返っている。なかなか良い時間、な気がする。
いつまで続くか分からないけど、年始に今年はこうするぞ、と意気込むのは大事だと思う。ちなみに、私の21歳の目標は「仲良くなりたい人に仲良くなりたいと言う」です。2025年のテーマは「全部やる!」です。
できるだけ達成率上げて、良い年にするぞ〜の気持ち。
スーパーハッピーエブリデーになりますように、新しいカメラを持って街に出るような気持ちで、日々を過ごしていきたい所存。
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