第2話愛の欲

 「こんにちは。私は、セバスチャンと申します。今回もまた欲深い人間が主人様に願い事をしにきたようです。あら、珍しい今回は30代の女性のようですね。さてどんな欲を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。」


 「『私のことを好きな男の人が欲しい』これでいいのかな。はぁ、嘘っぽいけど信じてみるか。」

 私は、とことん男運がない。今まで付き合ってきた男は、薬に溺れたり暴力的だったり、借金持ちだった。だから昔おばあちゃんが言ってた魔法の暖炉に願い事をしてみることにした。 

 「明日になれば願いが叶うんだよね。」


 朝になったけど男なんて1人も来なかった。嘘だったようだ。 

 「まあそうだよね。買い物でも行こ。」

そりゃそうだそんな魔法があったら誰でも願い事をするんだから。

 「このリンゴ一つください。」

 「このリンゴですね。お姉さん美人だからもう一つおまけだ。お姉さん今度暇だったら出かけようよ。」

 「はっ、はいお願いします。」

 まさか本当だったとは。すごく優しそうな男性がきたなんて。

 私は、その人とお出かけをしたがもっとイケメンがいいと思った。だからまた、暖炉にきてもっとイケメンを頼んだ。

 次の日この前のよりイケメンが話しかけてきた。でももっとイケメンがいい。もっともっと。

 それから私は、何回も何回も暖炉にイケメンを頼んでどんどん男のレベルが上がっていった。

 「まだだわ、まだ私につり合わないもっと詳しく頼まないと!。」

 「それぐらいにしたらどうです?。」

 「あなた誰?」

 「私は、セバスチャンこの暖炉のお世話係です。」

 「あらそうなの。ごめんなさいね、でもこれが最後もっとイケメンを頼まなきゃ。」

 「そうですか。どうなるかは知りませんよ。それでは。」

 何だったのかしらあの男。全身スーツでまるで執事だった。しかもどうなるかは知りません?どうなるっていうのよ。まったく人を脅したりなんかして。

 「さて家に帰って、明日を待とうかしら。」


 「何で、何であなたたちがここにいるの?」

 家に帰ると今まで願い事で現れた男たちが私の家に集まっていた。

 「どういうことですか?。僕とは遊びだったてことですか?。」

 「違うの!違うのよ。やめて髪を引っ張らないで。痛い!。」


 近隣住民がある民家に行くとそこには、女の遺体と一つのリンゴが落ちていたらしい。

 「全くなぜ最初の男は、本当に彼女を愛していたのに満足できなかったのでしょう。あの女性は、自分のことを過大評価してもっといい男を求めたですが、中身ではなく見た目で判断していたようですね。みなさんは恋人は見た目も大切ですが、一番は中身を知ってから決めるべきですね。まあ私は、人間ではないのでわかりませんが。さて次の人間は、どんな欲を持っているのでしょう。」

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