第9話
まだ流れている涙を手で拭おうとしたときに伊勢谷さんの手が私の腕をつかんだ。
えっ?という顔をしている私に向かって笑顔をつくって首をふると手渡したハンカチで私の涙をそっと拭いてくれた。
「だめだよ。メイクが台無しになるから」
私を笑わせようと笑顔で冗談を言う優しさが心に染み入った。
「はい……」
泣きながら笑う私の頭をなでる手は大きくて温かい。
結局、伊勢谷さんを犯人だと決めた証拠は一つが犯行時間のアリバイが無いということ。
もう一つは被害者を刺したナイフが伊勢谷さんの物だったということ。
このナイフについては本人も認めているしそのナイフが血液反応から被害者と同級生を傷つけるために使用したことが証明されている。
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