第2話
祖母はなにかにつけて、迷信めいたことを口にした。
私が言うのもなんだけど、よく生徒にバカにされなかったなと思う。
祖母は数年前まで地元の中学で教職に就いていた。
もちろん学校では家のようにそんなことを話す機会なんてないのだろう。
小さい頃の私はそんなことを一々考えずに、祖母が学校の先生ということが誇らしかった。
それが後年、自分の中で教職というものへの憧れに育っていく。
また、口にする迷信話も面白くて、小さい頃はよく聞いたものだった。
そんな私を祖母は可愛がり、私もなついていた。
それがいつからか祖母に対して馴染めなくなっていった。
祖母は昔と変わらず優しいし、私を一番に思ってくれている。
それはわかるのだけど、なんていうか……
年齢の差というのか、こちらの伝えたいことがなかなかスムーズには伝わらない。
同じことを二度、三度と話したり、私たちの間では普通の言葉でもいろいろと聞き返されたりで鬱陶しくなってくる。
でも一番の理由は……
祖母の迷信癖と、それを語るときに感じるなんとも言えない陰気な影だ。
それを感じるようになったのは小学校高学年になってからだった。
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