第2話 おっぱい触っても怒られないよね?

「ねえ?大丈夫?あちこち血が出てるけど……痛いでしょ?」

「わ……私は大丈夫です。でも……ラニーが……」

「あれ?その人まだ生きてるの?血、凄く出てるけど……」

「う……うぅぅ〜〜ん……」

「あっ、本当だ、未だ息があるね。

 間に合うかな?とにかく急いでヒールしないと……」

「先程もヒールが使えると、言っていた様ですが、本当ですか?

 もし出来るのでしたら、是非是非お願い致します!」

「あ〜〜出来るかと聞かれれば……

 出来るわは出来るんだけど……

 分かった、なんとか頑張ってみるよ」

 ラニーの服を引きちぎり、切り裂かれた傷を露出させる。

 ラニーの大きな胸が、はだけた。

 深い傷に目を背けるティアナ。

「お、おっぱいでかっ!

 斬られたの、殆ど、このおっぱいのでっぱった部分だけか?

 あ、でも、心臓に達しそうな位深いかも?こりゃむずいな……

 ねえ?おっぱい触っても怒られないよね?」

「おっぱい?触らないと出来ませんか?

 普通ヒールは、手をかざすだけですよね?」

「僕、魔力コントロールが苦手なんだ……

 ばあちゃん曰く、魔力量が多すぎるから、

 コントロールがしにくいらしい……

 直接触れて、少しずつ少しずつ……

 細心の注意を払って、魔力を流さないと……」

「流さないと?」

「さあ?ヒールが効きすぎて、

 おっぱいが、更に倍位に大きくなっちゃうとか?

 牛みたいになっちゃったら嫌だよね?きっと……」

「……よく分かりませんが、おっぱい触りたいって訳じゃないですよね?

 もしかして、おっぱい好きですか?」

「いや?全然?大人の男の人は好きみたいだけど……なんでだろ?

 僕は全く興味ないよ?」

「でしたら……貴方、まだ子供ですし、

 直して頂けるのなら、触れても怒られないかと……」

「だよね……って、こんな事話してる暇は無いよね?急がなきゃ」

 静かにてのひらを傷に触れさせる……するとラニーの身体が光出した。

 見る見る傷が塞がっていく。

 又、何も無い空間から、布切れを出し血を拭き取る。

「ほら、傷は塞がったみたいだよ?」

「す……凄い……でも、いつまでスリスリ血を拭き取っているのですか?」

「あ……なんでだ?何してる僕の手?

 う〜ん……少しだけ大人の気持ちがわかったかも?」

「え?今なんて?」

「あ、だから……すごく柔らかくて、触り心地良かった……」

「そいいう事は、大人になった時に好きな人と……」

「好きな人となら良い?」

「で、でも……その人もあなたの事好きでなきゃ……」

「あ〜だったら、もう一度触っても?」

「私の話聞いてました?」

「だって、誰も僕の事、好きになってくれないかもしれないじゃない?

 今が最初で最後のチャンスかも?」

「そんな事は、ないと思いますけど……」

「そう?僕、殆ど人の居ない所で生きてきたから……

 知らない事だらけなんだ……」

「……お……お嬢様……」

「あ、おっぱいが気付いた」

「ラニーです!ラ・ニ・イ 大丈夫?ラニー!」

「はい……大丈夫みたいです。痛みも全くありません。

 ……不思議……深く斬られたはずなのに……

 でもフラフラして気持ちが悪いです」

「出血が酷かったからですよね?でしょ?

 あれ?そう言えば、貴方のお名前聞いてませんでしたね?」

「おっぱい出たままですよ?」

「キャ!」

「一回おっぱいから離れましょうか?

 私の名はティアナ・クリスティーと申します。

 ダグラス王国クリスティー公爵家の長女です。

 遅くなりましたが、危ないところ、お助けいただき有難うございます。

 ところで……貴方は一体何者なのですか?」

「僕の名はレオナルド。見ての通りただの平民だよ。

 ティアナ様……いや、クリスティー令嬢と呼べば良いのかな?」

「ティアナで良いですよ?命の恩人なんだから。

 貴方の事は、なんて呼んだら良いですか?」

「レオで良いよ。母さんも、じいちゃんばあちゃんも、そう呼んでたから」

「じゃあレオ君、これからも私とは敬語無しで話して下さいね。

 恩人なんだから、貴族とか平民とか関係なく……

 ところで?レオ君、あの強さ……魔法も使えて……一体貴方は何者なの?」

「さっきも言った通り、僕は、ただの平民だよ?」

「ただの平民の訳ないと思うのですが?

 この辺りに住んでいるのですか?ご家族は?」

「ハハハ……質問が多いね?

え……と、僕は……生まれた時には、もう父さんは亡くなっていて……

 母さんは、何故か良く分からないけど、人目を避けて……

 5歳の時にその母さんも病で死んじゃった……

 幼かったし、途方に暮れていたら、

 両親の昔からの知り合いだと言う、

 じいちゃんばあちゃんが迎えに来てくれた。

 それからはサンドラの山奥で、じいちゃんに剣術体術を教わり、

 ばあちゃんから魔法を教わり……と言うのが、僕の生い立ち。

 と言う訳で……つまり僕は……」

「つまり僕は?」

「やっぱりど田舎者だって事……」

「サンドラの山奥って凄い秘境ですよね?

 その田舎者の貴方が、なんでここに?」

「じいちゃんばあちゃんに言われて、王都を目指してたんだ」

「1人で?レオ君貴方、歳は幾つなんですか?」

「12歳だよ」

「あ、同い年……私も先月12歳になったんです。

 ねえ、レオ君。行く先が同じみたいだし、

 一緒に行って頂くわけにはいきませんか?」

「うん、もちろん構わないよ。

 護衛の人、誰もいなくなっちゃったんだよね?

 また何かあるといけないからね」

「有難うございます。貴方が居てくれれば、すごく心強いです」

「そう? ああそれと、同い年なら尚更なんだけど……

 ティアナも、丁寧な言葉使いはやめて、もっと普通に話して。

 君も要らない、レオって呼んで」

「そうね……もう友達って事で良いかしら?ね、レオ」

「うん、良い感じ……」

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