神酒

風馬

第1話

さて、正月だというのに、我が家では一大事!お爺ちゃんが「これぞ我が家の秘宝!」とばかりに、何十年も隠し持っていた日本酒を取り出したんです。「これはな、戦後の混乱期に仕込んだ逸品!今夜は皆で歴史の一滴を味わおう!」と、胸を張って言うんですよ。


そこへお婆ちゃんが、「おいおい、戦後の混乱期ってことは、私たちがまだ若かった頃か!」とツッコミ。さらに、「あんた、そんなに酒ばかり隠してたら、私が探してた経年のブランドバッグはどうしたの!?」と怒りの鉄槌。


一同、ゲラゲラと笑い転げる中、酒を注ぐお爺ちゃんの手が震えています。「いやいや、それは別の話だ」と言いながらも、なんとか杯をみんなに配ります。すると、次男坊が「この酒、飲んだらタイムトラベルできそう」と言い出し、長男が「おぉ、昭和に戻れるかも!」「昭和より前に行ったらどうする?」と、どんどん話がエスカレート。


味わってみると、その酒、驚くほどまろやかで、「これは神酒だ!」と絶賛の嵐。でも、「タイムトラベルは?」と聞かれて、お爺ちゃんが「まあ、胃が昭和に戻った気分だな」と返すと、また一同爆笑。


そして、最後に「これで私のブランドバッグも見つかるといいんだけどね」とお婆ちゃんが言うと、どこからか「もしかして、酒樽の中?」と声が。「それはないわ!」とお婆ちゃんが笑いながら言うけど、もう誰も止まらない。笑い声が家中を包み、正月は最高の笑いと美酒で始まりました。


結局、ブランドバッグは見つからなかったけど、家族の絆は深まり、爆笑の正月が終わったのでした。

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神酒 風馬 @pervect0731

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