2.出会い【1】
流れの
特に
だが、レッドはそのような大物狙いの
そもそも目立って高名になれば、自分の秘密が暴露される危険がある。
そのため、地味な仕事を選び、使う
時には、そうした擬態に疲れ、意味もなく山の中を
だが、グランヴィーナの献身とラトゥフからの信頼を裏切ることはしたくない。
寿命が尽きるその時まで努力を怠らずに生きる。
それが彼らへの誠実さだとレッドは考えていた。
しかし、真の友を作ることもできず、上辺だけの
レッドは
「……ほんと、何してるんだか」
呟きながら、レッドは鬱蒼と茂る木々をかき分ける。
日暮れを感じたレッドは、夜を過ごす場所を求めて歩いていた。
道なき道を進むと、不意に開けた場所に出た。
目の前には、ぽっかりと口を開けた洞窟がある。
周囲には生物の気配もなく、森の奥にこれほど都合の良い場所があるのは珍しかった。
「ここなら雨露もしのげそうだな……」
レッドは安堵の息を漏らし、洞窟へと足を踏み入れようとした。
だがその時、洞窟の奥から小さな音がして、何かの気配がこちらに向かってくる。
思わず身構えて、レッドは息を詰めた。
しかし、洞窟の奥から現れたのは、レッドの予想に反した小さなシルエットだった。
「子供…?」
一見すると、それは
グランヴィーナから受け継いだ
見たこともない、
濃密で複雑な色彩は、レッドの知るどの種族とも一致しない。
「先客がいるとは知らなかった。今夜は雨になりそうだ。
レッドが声を掛けると、子供は無言のまま、フイッと目をそらして洞窟の奥へと歩き去った。
敵意はないようだが、警戒しているのかもしれない。
しばらく洞窟の入り口で様子を見たが、特になんの反応もないので、レッドは洞窟の中へと足を踏み入れた。
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