第32話

貴方様を見つけた



濃紺の着物に身を包み、目を見開いてこちらを見つめる貴方様を



どこにいようと見つけられる

私の"光"



「桜花どうした?」



足を止めた私に右近様は訝しげに眉をひそめる

しかし、それを無視し、私は大きく2度息をすると




桜の花弁が舞う中


微笑んだ



出来うる限り妖艶に

艶やかに

美しく




貴方様を来光様だけを見つめ




少しでも貴方様の心に私が残るように


ふとした瞬間、桜を見たときにこの顔が一番に蘇るように


それはまるで呪詛のような願い(おもい)




歪な愛情

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る