第17話

「...何故泣く?」





え?





低く響く声に問われて始めて自分の頰をつたう水に気がついた




「なにかあったのか?」





何か、あったのかもしれない




慣れない言葉使いに立ち居振る舞い

そして、快楽と言う名の拷問






急激な変化に身も心もボロボロだ






でも、私が泣いたのはそんなことが辛いからではない






私が涙を流したのはーー






「ーーー貴方の笛の音がとても暖かったかくて。でも」




とても悲しかった





遠い昔の記憶にすら残っていない母親の温もりのようで

とても懐かしく感じた




なのに胸が締め付けられる




「...お前はおかしなことを言う奴だな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る