さくらさくら

のやまもさとも ......

あ、この曲知ってる...

何処から、琴でならった事のある曲を奏でる、笛の音が聞こえて来た

幹をつたい音の出所を探す

ちょうど幹を半周したところ、蝋燭の灯りをともし、幹にもたれかかるようにして笛を吹く、紺色の着物をまとった男がいた

さくらさくら

のやまもさとも

みわたすかぎり

かすみかくもか

あさひににおう

さくらさくら

はなざかり

すっかり日も沈んだ桜吹雪の中

蝋燭の灯りとともに響く笛の音はとても幻想的で

ほんとうに夢殿のようで

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