きまぐれ日記2025
のいげる
第1話 日記20250101 元日
年末の片づけと買い出しで数日が消えた。
ついに新年である。
お節も食べ、残る仕事は初詣だけである。
ひっそりと氏神の神社に侵入し、神様に気づかれぬうちに千円札を賽銭箱に忍ばせ、何も言わず鈴も鳴らさずに帰る。
下手に神様に見つかったらお説教されかねない。
それにたった千円程度のお賽銭で鈴を鳴らして神様を呼び出すなどおこがましいことである。
自分がやられたら激怒するようなことをどうして神様にはやるのだろう?
神様は金の多寡を気にしないと云う人間がいるが、それを神から聞いたのかと問いたい。たいがいはお金を使わないための自分勝手な理屈である。
実際には神様は金には汚い。それが彼らの存在確率に直結するからである。ここの所のメカニズムについてはいずれ書くつもりである。
この神社の神様は罔象女神つまりウミガメである。
だから本体は神社内ではなく手洗いの手水鉢の中に宿っている。
訪れる人は隅っこの手水鉢には近づきもしないので、結局は空っぽの社だけを拝んで帰ることになる。
わざわざ初詣に来て手を洗いもしない不信心者は神様にすら会えないというのは正しい結果である。
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