第32回電撃小説大賞  星影の巫女と迷宮の騎士 1万字以上3万字以内で完結していること。

鷹山トシキ

第1話 星影の囁き

 静寂に包まれた緑豊かな村。小鳥のさえずりと木漏れ日が織りなす穏やかな風景の中に、16歳の少女、アリアの姿があった。彼女は、澄んだ青い瞳と、風に揺れる金色の髪が印象的な、どこか神秘的な雰囲気を纏っていた。

 今日が彼女の誕生日。いつものように、村の小さな教会で祈りを捧げていると、突如として意識が遠のいていく。気がついた時には、見たことのない古代遺跡の中に立っていた。壁には、奇妙な文字が刻まれ、薄暗い空気をヒラヒラと舞う塵が神秘的な雰囲気を醸し出していた。

 遺跡の中央には、煌めく光を放つ剣が突き刺さっていた。アリアは、何かに導かれるように、その剣へと手を伸ばす。すると、剣は震え始め、彼女の手に吸い込まれるように収まった。

「これは…?」

 戸惑いながらも、アリアは剣を握りしめる。その瞬間、彼女の体中に温かい力が巡り、周囲の風景が歪み始めた。

「アリア!」

 突然の出来事に驚いたアリアは、我に返ると、教会の中にいた。まだ夢か現実か、判別がつかない。

翌朝、村はパニックに陥っていた。夜中に現れた謎のモンスターが、家畜を襲い、村人を傷つけていたのだ。恐怖に怯える村人の姿を見て、アリアは昨日の夢を思い出す。そして、腰に差した剣に手を伸ばした。

「星影…」

 そう呟くと、剣から柔らかな光が溢れ出し、アリアの体内に力を呼び覚ます。彼女は、村を守るため、モンスターへと立ち向かうことを決意する。


 アリアは、腰に差した星影を握りしめ、深呼吸をした。心臓が鼓動を早め、体中に力がみなぎる。村の入り口には、巨大な牙と鋭い爪を持つ獣が立ちはだかっていた。その瞳は、血の色に染まり、憎悪に満ちている。

「村を返せ!」

 獣は、恐ろしい声で咆哮し、アリアに向かって突進してきた。アリアは、冷静さを保ち、星影を構えた。次の瞬間、獣が目前に迫る。アリアは、全速力で駆け出し、獣の攻撃をギリギリのところでかわす。そして、星影を振りかざし、獣の腹部に突き刺した。

 星影から放たれる光が、獣を包み込む。獣は、激しい痛みと光の眩しさに耐えきれず、地面に倒れ込んだ。そして、ゆっくりと息絶えた。

 村人たちは、アリアの勇気に歓声を上げた。村は再び平和を取り戻し、アリアは村の英雄となった。しかし、アリアの心には、まだ何かが引っかかっていた。この獣は、一体どこから来たのか?そして、なぜ村を襲ってきたのか?


モンスターの紹介

グリフォン

今回、アリアが対峙したモンスターは、グリフォンという伝説の生物である。グリフォンは、獅子の胴体とワシの頭を持つ、強大な力を持つ獣として知られている。多くの神話や伝説に登場し、その姿は勇猛さと高貴さの象徴とされている。

* 特徴:

* 獅子の胴体とワシの頭を持つ

* 強大な爪と牙を持つ

* 空を飛ぶことができる

* 非常に高い戦闘能力を持つ

* 伝説によると、黄金を守護する存在とされている


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