第2話
彼女の産まれは、このマルクレン国。18年前にこの世に生を受けたが、母親の身体が弱かったことと、家計が苦しくなったことが重なり孤児院へ預けられた。6歳で今のビアーノに引き取られたのだが、そこで初めて世間に出たことで違和感を感じた。『なんか違う』ということに。
もっと近代的な社会で、もっと自分は年齢が上で、気ままな生活をしていた、ような気がした。
ここでは馬車がメインの移動手段だけど、馬を使わない鉄の塊や、二輪の物体に股がって走るものも知っていて、それが『自動車』『バイク』と名前まであることも知っている。
年齢が上がるにつれ、だんだんと夢だったのだろうかと思うようになってきたが、どうしても忘れられない、何度も思い出す映像がある。
その車やバイクが行き交う道路に、突然現れた銀髪の少年。彼を助けようとして無鉄砲に飛び出した自分。
いつもそこでハッと目が覚める。忘れてはいけない気がする。その違和感を抱えながら、気付けばもう18歳となっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます