胸元はやめてくれないか?

これも中学時代の実家でのお話。

あ、心霊体験の部類かと思います。


皆さん金縛りってなったことありますか?

あれって突然バキーンと動かなくなるって、よく聞きますよね?

色んな怪談話される方とか、よくそんな表現をされると思います。

まあ、中には? そういう風な金縛りの術喰らったみたいな

硬直の仕方をする事もあるのかもしれないですが(あるのか?)

自分の体験上では一回もないですね。


あ、俺は金縛り、しょっちゅうなってました。

特に中学、高校、専門学校と、就職するまでしょっちゅうです。

あ、違うな、就職してからも金縛り何度かありましたわ。


で、金縛りって突然バキーンとなった事はなくてですね

大抵、布団に入って、どれ寝るかーってなった時に分かります。

「あ、今日これ、なるやつだ」

って感じで分かります。


恐らく何度も経験された事のある方は理解できると思います。


でも多分これは、霊感云々じゃなくて、経験則から何かを感じ取って

「あ、今日これ、なるやつだ」

って体で理解する、そんな感じです。


で、その日の夜も

「あ、今日これ、なるやつだ」

って分かってて寝るわけですよ。


んで、大抵の場合ですが、硬直は手足の先から始まり

急激に全身に硬直が回って動けなくなります。


よく、医学的に言われるのが

身体は寝ていて、脳が起きている状態って言われますが

まあそういう事もあると思うんだけど

ぶっちゃけ、それは金縛りって言わないと思う。


だって、本物の金縛りって、布団に入ってからほぼ即ですから。

布団に入って、もしくは横になった1分後には動けなくなってるとか

ザラですから。

全く寝てなどなくて、バッチリ起きてる状態。

これが本物の金縛りって言っていいと思います。


えーっと、脱線したかな? 戻ります


んで、急激に硬直して動けなくなったんだけど。

足首の上辺りかな?

そこにボーリングの球位の重さで、球状の物が乗ってきまして


いや、普通に考えたらそんなことはあり得ないんだけど

実際そうだったんだから仕方ないよね?


え、ナニコレ? 金縛りはいいとしても、足重いんだけど!? って


身体は動かないので、それを確認することも出来ず

足の上で荷重をかけているナニカにされるがまま。


体感5~6分程、足首に乗ってたのかな?

いい加減にしろよ!?

そう思った時に異変が起きました。

いや、既に異変の最中だろ? とは思うんですがね。


えーっと、足首の上に乗っかっていたボウリングの球がですね

上、顔の方に向かって荷重ポイントを移動し始めました(笑)


具体的にどんな感じ? と言われると

まあ、動けない為、見れなかったので正確ではないですけど

ゆっくりゆっくり転がってる感じって言うんですかね?


腰まで上がって来て、実際腰が重くてベッドが沈み

さらに上がって来てお腹が苦しくなり

最終的に胸まで上がって来た。


いや、マジで息が苦しいからやめて!? って

声は出せないので頭の中で念じるんですけど、居なくなってくれなくて


んで、そこで気が付いちゃったんですよ。


フーッ… フーッ… フーッ…


それ、呼吸してるんですよ。

間違っても自分の呼吸じゃないんです

だって、自分の呼吸、自分の顔にかかりませんから(笑)


あ、これ生首かよ… って


そこでボーリングの球の正体が分かって

ぶっちゃけ、寝かせろよっ、ふざけんなよ! って思ったわけ

折角だから目開けて姿見てやるって


でも頑張って目開こうとしてもやっぱ動かなくてですね

仕方なくいつもの、金縛りを解く方法をやったわけです。


方法は、手でも足でもいいので、指一本に集中して動かす

これだけで金縛りは解けます。


でも俺は足の指動かすと攣りそうなんで、いつも右手の小指にしてますけどね。


んで、小指を何とか動かして、ジワーと体の硬直が解けていく

いざっ! ご対面! って目を開いた瞬間

なんと意識を失ってしまいました。


そして気が付いたら朝になっていました。


起きがけの一言目が


「なんでだよっ!」


ってツッコむ自分もどうなんだよ、って話でした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る