魔眼と聖眼の闇剣士(ダーク・ソーズマン)~魔眼と聖眼の価値に気づかず死ぬ悪役貴族に転生したんだが、実は完全クリアの鍵を握る超重要な隠れ主人公だった件。てか、なんで俺の周りにはヤンデレ女しかいないの?~

佐松奈琴

プロローグ―前世の最後の甘い思い出!

与志原よしはらくん、ちょっといいかな?」




 そう俺に声を掛けてきたのは、クラスのマドンナ、椎野しいのつぐみ。


 この日も本人ご自慢の黒髪ツインテールがすごくツヤツヤ輝いていた。


「ごめん、これから速攻で帰ってゲームしたいから、悪いんだけどまた今度ね!」


 俺がそう返すと、椎野つぐみ は唖然とした顔で俺を見てこう言ったのである。


「・・・・・・与志原くん、私より優先したいゲームって、一体どんなゲームなの?」


 うわ、とんでも高飛車発言!


 さすがはクラスのマドンナだ!


「椎野さん、君は確かに美人さんだよ。でも、俺は超人気学園恋愛RPG『サーザント英雄伝』に出てくるような銀髪 碧眼へきがん皇女おうじょ様とか、燃えるような紅い髪と瞳のボンキュッボンのスタイル抜群のお姉さんとかがタイプだから、正直君のことはなんとも思わないんだよ!」


 

 ――バチンッ!



 「ふぇっ?」


 突然クラスメイトに平手打ちされて、俺は驚きのあまり、ついそんな変な声を出してしまった。


「与志原くんのバカ! せっかく付き合ってあげようと思ってたのに! この陰キャぼっちのゲーム廃人! さっさと死んじゃえ! ・・・・・・うそ。・・・・・・ほんとに、ほんとに好きだったのに。・・・・・・もう、絶対後悔させてやるんだから! 明日、そのゲームのキャラのコスプレで登校して絶対に好きって言わせてやるんだからね! その時付き合いたいって言っても・・・・・・たぶん、もう遅いんだよ!」


 椎野つぐみ はそう言うと、俺を誰もいない教室に置き去りにして、小走りでどこかに消えてしまった。



 椎野つぐみ は本当に次の日、『サーザント英雄伝』のキャラクターのコスプレをして高校に登校してきたんだろうか?


 もしそうだったなら、俺は彼女のことを思いっきり抱き締めて、ごめんやっぱ好きだと告白してしまっていたかもしれない。


 でも、俺はその姿を見ることができなかったのだ。


 


 なぜなら、その日の夜に(たぶん)死んだ俺は、その『サーザント英雄伝』の全プレイヤーとキャラから嫌われているとんでもないあるキャラクターに転生してしまったのだから。



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 毎朝7:06 に更新します!


 完結まで全力で走り抜けようと思っていますので、ぜひ作品フォローしていただけるとうれしいです!

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