■002,『アラタ+チートしてみた』
「なんだここは? それに今の声……」
俺はカメラを周囲に向ける。
「洞窟? 家の周りは、山どころか他の家もない更地だぞ」
洞窟につながる要素が、1つもない。
「さっきの声、異世界人とか、ダンジョンって言ってたな」
やるか。ちょっと恥ずかしいが、動画的にもおいしいだろ!
カメラに向かって決めポーズをする。
「ステータス、オープン! って、うわっ!」
突然空気中に、画面ウインドウが出録される。
「すっげぇ……、これカメラに映るかな、大丈夫みたいだ」
カメラ越しでも、画面が見えた。
名前:アラタ・シンドウ
性別:男
種族:人間
スキル:
鑑定、アイテムボックス、多言語、経験値100倍、ダンジョンクリエイト、
称号:
異世界人、ダンジョンの管理者
「チートや、チート!」
特に、経験値100倍のスキルが異常。
「鑑定、アイテムボックス、多言語、経験値100倍はわかるが、ダンジョンクリエイト? お、なんか出た!」
ステータス画面が消え、新たな画面が出てきた。
ダンジョンの各階層編集、ゲートの設定、吸収したアイテムと出てる。
「ダンジョンを作る能力か?」
階層を増やしたり、魔物を設置したり、ゲートの場所を移動させたり、いろいろできるみたいだ。
「吸収したアイテム? これ取り出せるのかよ!?」
アイテムを選択すると、取り出す・設置・消去が選べた。
一覧を見てみると、
「武器に防具、魔道具、金貨、すげぇ……って、聖剣と魔剣があるだと!? 取り出す、取り出す!」
目の前に、2本の剣が現れた。カメラで舐めるように撮る。
「やっべぇ、超かっけぇ!」
俺の中二心が震える。
ミニ三脚を取り付けたカメラを地面に置き、剣を両手に持つ。
ブンッと振り抜く。
「ん? 軽くね? モノはしっかりしてるから、もっと重量あると思ったんだが」
その後も、ずっとブンブンと振り回し続けた。
「いかん、いかん、楽しすぎたこれ。とりあえず持って帰るので、アイテムボックスッ!」
目の前に黒い穴が出てきて、そこへ剣を入れた。
「ついでに、防具とか魔道具も持って帰ろ。金貨って換金できるかな? てか、本物?」
オモチャだったら、逮捕されないか?
急に心配になってきた……。
「あ、そうだ、鑑定!」
金貨:異世界オールドのお金。相場・40万円前後。
「1枚、40万!? 40万が大量! 今から売ってくる!」
急いでアイテムボックスに入れる。
だが枚数が多すぎて、入れる作業がつらい。
「と、とりあえず、こんなもんでいいだろ。あ、カメラ忘れてた……」
今、撮影中だったんだ。すっかり忘れてた。
最後まで見てくれてありがとう。
チャンネル登録、いいね、よろしく。
打倒、ヒロフミ!
それじゃ、また見てね。
じゃあの!
~再生終了~
◆コメント欄:
>>寝取られ吹いた(笑)
>>チャンネル登録しました。応援します。
>>主、可愛そう……。
>>泣け、俺たちがついてる!
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