異世界家族〜一家全員で異世界転移!?〜
まるこめ太郎
第1話 すき焼き冷めちゃうから…
突如自分達を含む辺り一面が眩いばかりの光に包まれた。
それは突然の出来事。何気ない…だけど自分にとっては至福の時間…。
その日も愛する家族の為に働き終え、愛する家族達の待つ自分で手に入れた城(ローン絶賛返済中)で最愛の妻と子供達と囲む夕食の時間。
最近は急な異動になった同じ部署の鈴木さんの仕事の穴埋めに奔走していて残業続きだったので、久しぶりに家族と共にする夕食で心躍る。
皆で手を合わせ今まさに食べようと思った瞬間の出来事だった。
「何だ!?」と思ったのも一瞬。
光に包まれたと思って眩しさに目を瞑り…何が起きたかより家族の安否を確認するために目を開けると…我が家のリビングでは無く…豪華絢爛という言葉でしか表せない様なだだっ広い広間で見知らぬ人々に囲まれていた。
使い慣れたダイニングテーブルと椅子達とまだ湯気が立ち込める夕飯と共に。
家族の安否を素早く目で確認し、全員つい先程までと変わらず手を合わせてポカンとして居ることに安堵しつつ、ざわつく人々を見遣る。
「まさか!本当に成功するとは!」
「おぉ…彼等が勇者一行か!」
「なんと不思議な身なりと此方では見慣れ無い顔立ち。…やはり本当に異世界から…」
ざわめく人々の呟きから察するに…まさかのこれは異世界転移というやつか?
え…何か違くない?
ちょいオタクを自負する自分から言わせると…え?家族ごとって新しくないっ!?
そんな事ない???
最新の流行りはソッチ行ったの?やばい…最近忙しかったから流行り追えてなかったからなぁ…。
頭の中で色々な感情が交錯し、パンクしそうだ…。
けど顔には決して出さない!何せ自分は夫であり父親でもあるから!
今はそんな時代じゃ無いと言われるかもしれないが、家族の絶対的支え、大黒柱的ポディションで俺は
ざわつく周りの人々と、ポーカーフェイスを装いながらもこれからどうなるのか冷や汗ものの自分を尻目に、のんびりとしていて、だけど芯のある優しい声が場違い感満載な発言をした。
「ん〜何だか分からないけど…せっかく久しぶりに家族全員での夜ご飯だし…せっかくのすき焼き冷めちゃうし、頂いちゃいましょうか!」
にこにこと衝撃発言をする妻。
あぁ…結婚して十数年になるけどまだまだ相手の分からない事ってあるんだなぁ…なんてぼんやり考える。
だが一つこれだけは変わらず言える!
…我が最愛の妻よ…
そんな所も愛してるっっっっ!!!!
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