第5話 幼馴染と夜這いガール(1)
「う…ちょっと!優、起きて!起きなさい!優!」
「なんだよ、目覚めの悪い起こし方して…」
朝から当然の如く由乃が俺の部屋に来て、体を揺さぶる形でほぼ無理やり俺を起こす。
「そんなことは、どうだっていいの!私は、この状況について聞いてんの!」
「何の話だよ…って刈谷さん!?」
さっきから怒り口調な由乃の指した方向を見ると、こちらも当然の如く刈谷さんが寝ている。
「ちょっと、刈谷さん起きて」
刈谷さんにこの状況のことを聞くために、俺も刈谷さんを揺さぶって、刈谷さんを眠りから起こそうとする。
「あ…おはおようございます…優くん」
「へ〜優くん…私に昨日起こしてってお願いしといて、しかも昨日付き合ってないって言ってた刈谷さんと
なんで、由乃がいるんだって思ったけどそういえばお願いしてたんだった。
「いや、これはですねー。話せばマリアナ海溝よりも深いわけが」
「どうゆうことかな?」
「えっとですね、刈谷さん説明してくれますか?」
なんとも、自分からは言いにくいため刈谷さんに自主的な説明を求める。
「そんな深いわけじゃないですよ、ただ私たちが一緒に
「へ〜」
「ちょっと待って、刈谷さん違うでしょ?てか、刈谷さんがいるのがおかしいんだよ」
ほんとに、なんで刈谷さんが普通に俺のベットにいるんだ。
「え〜酷いですよ優くん。昨日私がベットに入った瞬間、私を抱きしめてきたのに」
「ちょっと刈谷さん!?」
「へ〜続けて」
まずいな由乃の怒りゲージが溜まっていく一方だ、俺から説明求めたけどこのままだと俺が
「しかも、私がベットに入った瞬間優くんの顔が気持ちよさそうな顔に…」
「ちょっと刈谷さん語弊のある言い方しないで」
「へ〜そうなんだ〜」
俺の体が添い寝による、安眠効果に負けた!しかも、人が居るのが普通かのような動きしてるな寝てる時の俺。
「ところで優、今の説明の後だけどなんか弁明ある?」
「そのですね由乃さん。これは、刈谷さんの言い方が悪いと言いますか。あの〜由乃さん?聞いてますか?」
一通り刈谷さんの紛らわしい説明を聞いた由乃が、じりじりと拳に力を入れて近づいてくる。
「とりあえず死ね!この変態やろー!」
怒り心頭の由乃の平手打ちが、俺の頬を直撃する。
「もう!私先降りてるから!どうぞお幸せに!」
そう言って由乃が思いっきり、俺の部屋のドアを閉めて怒り心頭で階段を降りていった。
「刈谷さん…」
「私たいして間違ってないですよ、私が入った瞬間抱いてきたのもいい顔になったのも」
「それは、そうだったのかもだけど、もうちょっと他の…まともな言い訳がないな」
思いつく範囲だと、夜這いの事を言うかくらいしかないししかもその回答は、ほんとだけどバレバレな嘘だと認識されるだうろう。
「そうですよね。だから、ああいう言い方を」
「もっとオブラートに包んでよ!で、今日はどうやって?」
刈谷さんが来たってことは、また家の防犯が終わってるってら事だから、参考にして次回来ないようにしておかないと。
「今回は、お母様たちの部屋から」
「え、母さん達の部屋入ったの?」
「はい、ベランダに繋がる窓が空いてたので。でも、もう使いたくないですね普通にリスキーなので」
それなら夜這いを辞めればいいのではないだろうか。
「しかも、優くんの横に入ったら入ったで、添い寝の安眠効果効果で寝ちゃいましたし。やっぱりそこが私の反省点ですね」
難しそうな顔をして、反省点を述べる刈谷さん。てか、この人は何時くらいに家に入ってきてるんだ、俺が昨日寝たの2時だったってのに。
「とりあえず刈谷さん、出てって貰ってもいいかな?俺着替えないと行けないから」
「別にお構いなく」
「いや、お構いなくじゃ無くて」
着替えを覗こうとしていた、刈谷さんを部屋から追い出してなるべく早く着替える。とりあえず後で由乃には、弁明しとかないと。
「母さんおはよ」
「今日はすんなり起きれたのね。あれ?その後ろのこは?」
「え、なんでまだいんの?」
昨日と同じ動きをしたあと、リビングに顔を出すと俺の後ろで刈谷さんが笑顔で立っていた。
「私、優さんと同じクラスで、隣の席の刈谷と申します以後よろしくお願いします。お母さま」
「お母様だなんて、あなたも食べく?朝食」
母さんがウッキウキで、刈谷さんの分の朝食も作り始める。なんだか、母さんフットワーク軽いな。
「大丈夫ですか?優くん身震いして」
「大丈夫気にしないで、身内の精神力に気圧されただけだから」
何故か居る刈谷さんを怪しいとか、怖いとか思わない母さんの精神力が怖すぎる。
「いやー嬉しいわね、まさか優がこんな可愛い子達に囲まれてるなんて」
「そうですね〜、私もそう思います〜」
俺の対面に座っている由乃が怒り混じりの声で、返答する。とゆうか、なんでさっきから由乃は俺にキレてるんだ。
まあ、人呼んどいて朝からあんな、事後みたいな光景見たらそうもなるか…。由乃も混じる?くらい言えば良かったか。
「はい、どうぞ梶谷家の朝食」
「美味しそうですね、お母様ありがとうございます」
「もう、お母様だなんて〜」
俺と由乃に遅れて、刈谷さんの分の朝食も食卓に並ぶ。とゆうか、母さんお母様で喜びすぎでは?
「ほら、優くん。あ〜ん」
「いや、いいよ俺も同じもの食べてるし」
「じゃあ交換しましょうよ
「へ〜このあいだ…」
おっと、刈谷さんが由乃の地雷をどんどん踏んでくこのままだと、地雷全部除去できそうだ。
「あれは、別でしょ」
「まあまあ、私と優くんの仲なんですから」
刈谷さんが箸につまんだ、ほうれん草のおひたしを押し付けてくる。
「しょうがないな、食べますよ」
「そんなに、嫌がらなくても…」
「…」
このまま断り続けても、平行線を辿る予感がしたため刈谷さんの箸につままれた、ほうれん草を口に運ぶ。
「どうですか?美味しいですよね」
「おひたしだし。てか、同じもの食べてるんだから、味の感想いらないでしょ」
ちなみに、おひたしの味はほうれん草、鰹節に醤油をかけた、普通のおひたしって感じで美味しい。
「…」
てゆうか、さっきから由乃が無言でこっちを凝視しながら焼き鮭の皮と骨を取り除いてて怖いんだけど…
「ところで、由乃さん鮭の方は綺麗に解体できましたか?」
「うん!出来た、ほら綺麗に取れた1部あげるよ」
そう言って、由乃も刈谷さん同様に箸につまんだ焼き鮭のブロックをこっちに向けてくる。
「いや、別に俺のとこにもありますので…」
「いいじゃない、刈谷さんにもやってもらったんだからさ。それとも、嫌なの?」
最後のハテナの部分で何か見えるようで、見えない殺意のようなものが俺の第六感に伝わってくる。
「はい、わかりました」
由乃の渡してきた焼き鮭を食べる。焼き鮭は、比較的塩も効きすぎておらず程よい塩加減で、鮭本来の味わいが口に広がってくる。
「どう?優、美味しい?」
「はい、美味しいです…」
「あらあら優、モテちゃってこれは孫の顔も近いのかも?」
この状況で、母さんの言葉があまりにもミスマッチすぎる。選択を間違えると、由乃の持ってる箸で殺されそうだと言うのに。
「てか、あんた今日急いでるんじゃないの?だから、私に
「やべ、そうだった」
さっきまでのごたごたで完全に忘れてたけど、今日も今日で、朝からやることがあって急いでんたんだった。
「母さんいってきます!」
「行ってらっしゃい」
予定を思い出してから、急いで朝ごはんを食べて玄関から飛び出した。
「じゃあ、優くんまた学校で」
「じゃあね、刈谷さんもうこないでよ」
「それは、どうでしょうね」
刈谷さんも俺と同じくらいのタイミングで、朝食を食べ終えたのか、一緒に玄関に出て俺は学校へ、刈谷さんは家に帰ってった。てゆうか、刈谷さんほんとに非効率なことしてるな…
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