第3話
鉛筆は顔の右頬に当たる部分に落下した。
顔はさらに私の足を呑み込んでくる。
恐怖で私は右足をバタバタさせた。すると・・右足が鉛筆を押さえつけるような形になって・・顔の右頬に深々と突き刺さったのだ。
顔から「ギャー」という、ものすごい声が出た。
その声で私の身体の呪縛が解けた。私は立ち上がって、右足を顔の口から引き抜いた。
すると・・顔がみるみる床にめり込んでいって・・木の床だけになった。便器の横の床に鉛筆だけが突き刺さっている。
私は個室を飛び出すと、トイレの入り口に脱いであったスリッパを履いて、廊下を走った。お部屋に戻るまで、心臓がバクバクと鳴った。お部屋に入ると・・父も母も、スミオもみんな眠ったままだ。
私は自分の布団に潜り込んだ。身体がガタガタと震えた。そうするうちに、布団の暖かさが私を包み込んできて・・・やがて、私は眠った。
朝、眼が覚めると・・・木枠の古いベランダから、お部屋の中に朝陽が差し込んでいた。父も母もスミオもみんな起きていた。
私はみんなに昨日の話をした。みんなが笑った。夢を見たんだというのだ。私は首を振った。
あれは決して夢なんかじゃない・・・
そうだ。鉛筆だ! 便器の横の木の床には、鉛筆が突き刺さっているはずだ。
私は母に付いてきてもらって、トイレに行ってみた。
鉛筆は・・・
無かった!
お部屋に戻ると・・インターホンの横に、メモ用紙と一緒に鉛筆が並べて置いてあった。
みんなが言うように、あれは夢だったのか・・・
怖い夢だった・・・
私は大きく息を吐いた。
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