第5話

あかねちゃん?」



耳によく響く声で私の名を呼んだ彼は、その声に似合う、柔らかな笑みを浮かべていた。




その細身に似合うスーツは、他の人とは明らかに違うお洒落なもの。




とても極道の関係者とは思えなかった。




その手には、白く大きなウサギのヌイグルミが抱かれていて、淡いピンクと白のチェックのワンピースを着たソレは凄く可愛らしい。




「はい、プレゼント」




差し出された私は、躊躇する事無くウサギを抱き締めた。





それが、



私と織田おだ 和真かずまとの出会いだった。

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