第3話

「今、俺が握ってるのはお前の手じゃない。お前の命運だよ」


「は…」




にこりと微笑む少年、――いや、青年か。


逆光でよく見えないはずなのに、恐ろしいほど顔が整っているということが、容易に把握できてしまった。


マットベージュの髪の毛が、お月さまの光できらきらと輝く。緻密に計算され尽くしたみたいな、そういう絵画を見ているかのような、美しい絵面がそこにはあった。




「俺次第でお前は生きもするし、逝きもする。だからつまりそういう意味じゃあ俺は、――お前のカミサマってことになる」


「…な、」




――にを、言っているのだろう。



戸惑う私を他所よそに、形のいい唇は、更に言葉を紡ぐ。




「お前は、生きて――、」




生きてと、言うのか。




なんにもないと、必要とされてないと、愛されていないと、そう嘆いて身を捨てた私に、


こいつは神様を気取って罪深い私に生きる意味を与えてくれるとでも、

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