高校生150名が異世界廃墟に集団転移したようです。みんなは戸惑っているようですが、おれたち三人は好きにやらせて貰います

肉球工房(=`ω´=)

パーティ「トライデント」、結成

 一日目、AM10:00。


「ん?」

「え?」

 体育の授業中、不意に周囲の風景が変わった。

 たまたまそばに居た二人、馬酔木(あせび)恭介と宙野(そらの)彼方(かなた)は顔を見合わせる。

「なに、これ?」

「幻覚、って線はないか?

 カナ、なにが見えるかいってみろ」

「ええと、壁。朽ちかけたの」

 彼方は周囲を見渡し、目に入ったものを片っ端から言葉にしていく。

「落ち葉と枝とか石とか、そのまま放置されている道。これ多分、長く人の手が入っていないね。

 廃墟、かな?」

「おれにも同じのが見える。

 集団幻覚でなかったちょしたら、お前が好きなラノベとかにあるやつか?」

「突然異世界に転移させられるやつ?

 はは、まさか。

 もしそうなら、ステータスオープン、とかいったら……出たよ! おい!」

「ステータスオープン、といえばいいのか?

 ああ、出たな。よくわからん表示が」

「ステータスと、PPとCP?

 PPとCPが5000ずつ入っている。

 PPとCPの違いってなに?」

「ヘルプによると、パーソナルポイントとコミュニティポイントの略、だそうだ。

 とかいわれても、違いがよくわからんが」

「ええっと、PPは、使用することでスキルとかを使えるようになるみたい。

 CPは、お金の替わり、かな?

 物品が買えるみたい」

「お前の好きなゲームみたいだな。

 で、どうすればいい?」

「といわれても、ゲームの目的がわからないとな。

 当面の目的は……これか。

 ええと、クエスト、可能な限り多くのモンスターを討伐せよ、と。

 これ自体は、RPGとかにありきたりだけど」

「5000しかないと、まともな武器は買えないな。

 それに、そのモンスターとやらはどこに……」

「いや、あっちから来るのが、それじゃない?

 ってか、多過ぎ!

 道埋め尽くしているじゃん!」

「まず、結界術ってのを取ってみるか。

 使用ポイントも少なめだし」

「レベル1だと、50ポイントか。

 どこまで効果があるのか」

「使ってみればわかるさ」

「おお!

 モンスターが見えない壁にぶつかって、勝手に自滅していく!」

「自分を中心として半径1メートルに見えない結界を作る感じか。

 あと、短時間しか保たないらしい」

「レベル1だからね。

 多少でも余裕が出来たのは、正直ありがたいかな」

「ウサギかネズミかってサイズでも、これだけの数にもみくちゃにされると無事では済まないしな。

 あとは、攻撃手段か」

「5000ポイント内だと、ろくなのがないね。

 ぼくは、まず投網を買う」

「逃げられないようにするためか。

 ならおれは、まず金属バットを買うか」

「モンスターを倒せば、ポイントを貰える。

 ポイントが増えれば、もっと上等な武器も買える、と。

 スタートとしては、そんなもんでしょ。

 あ、あと、パーティってのも組めるみたいだね。

 いろいろ便利そうだし、三人で組んじゃお」

「よくわからんけど、仲間外れにするとハルねーがうるさいからな。

 ちゃんと連絡しておけよ」

「わかっているって。

 じゃあ、パーティ申請したから、それOKして」

「トライデント?

 これがパーティ名ってやつか?」

「気に食わないかな?」

「いや、別になんでもいい」

「じゃ、投網投げるから、そこに入ったモンスター潰しておいて。

 その間にねーちゃんに連絡しておく」

「おお」

「えーと、この分だと、ねーちゃんもこっちに来ているよな?

 連絡するのは、ああ、これか。

 テキストか音声を選べるって……音声のが手っ取り早いか。

 あ、ねーちゃん? おれおれ。

 いや、おれにもよくわからないんだけど、モンスターってのを倒せば倒すほど有利になるみたい。

 今、キョウちゃんと一緒にいるんだけど……あ、はい。

 すぐに合流しますか。

 こっちに来るのはいいけど、その前に結界術ってのを取って欲しいかな、安全のために。

 場所?

 ええっと、ヘルプさんに直接訊いた方が手っ取り早いと思う。

 おれも今こっちに来たばかりだから。

 え?

 マップが表示された?

 おれたちの位置はわかったけど、ちょいと距離がある、と。

 時間は多少掛かってもいいよ、おれたちはおれたちで、モンスター潰しながら待っているから。

 あ、移動する前にパーティに入って。

 同じパーティのメンバーだとポイントとかアイテムの共有が出来るみたいで、なにかとお得だから。

 うん、こんなこといっている間にも二人でかなりのモンスター潰して、今、ポイント3万、いや、四万超えた。

 一体あたりのポイントは少ないんだけど、数こなすとすぐにあがるね、ポイント。

 ねーちゃんはモンスターのこと考えなくていいから、まずはこっちに合流することを最優先して」

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