印(しるし)

葉っぱ

第1話 困惑

あの、俺、なんでここに居るのでしょうか。


「知らないよ、あんた運悪いねぇ」


ー俺の人生、終わった。


魚が泳いでいる天井には、数多の、

綺麗な人魚が、

こっちを見て、ひたすらに助けて、

とは言わず、ただひたすらに、指を差して、

あっちだっ!逃げろっ!!と言っている。

俺の心の低さを知ったのに、

俺に、

「諦めるなっ!逃げろっ!!」

「諦めないで下さいっ!逃げて下さいっ」と、

言ってくれている。


「まあ、あんたがあっちに行けば、

 あいつらは、サンカに殺されるねぇ」

断念した訳じゃない、

嬉しくて泣いた俺は人質と言う立場からの、

逆転を狙うしかない、と、思ったし、

ーすぐに終わる、物語だ、と思った。


「本当にいるんだな。

 良いヤツになるヤツ」


後ろから頭を強く叩かれた。


「まあ、サンカの事だから、

 適当に、まあ適当と言うより、

 あんた知ってるだろう。

 人を救うために動く人々が何をするか」


「じゃあ、俺は人質、ですか」


「まあ、星使ほしつかいである、

 世界星せかいぼしの奴らが、

 反対するし、奴らの中で、

 1番黙ってないのが、カナシだね」


さっき、会ったろう、

 あんたの事を庇ったヤツがカナシだよ。


 周りを見ようとすれば、

 頭を強く掴まれ、こっちに来いと、

 引きずられ、どっちの印が良いか、と、

 聞かれた、点だと言う、

 赤は、太陽(正義)を殺すか、

 青は、闇を植え付けるか、


 どちらも俺が選ばないと言えば、

 二つの点を重ねた紫色の点が、

 左手の甲に、ハンコのようにつけられた。

 すると、そこがじわじわと痛くなり、

 ひどい眠気が来た。


 


 

 

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印(しるし) 葉っぱ @kourogi1278

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