14、遺品《アーティファクト》2
そして、直通電車の中。座席に
「この際だから、今ここで
「はい、何でしょうか?」
電車内で、吉蔵さんが
まあ、あの
とはいえ、まあ本当に
まあ、それはともかくとして。吉蔵さんの話に耳を
「実は、私と晴斗くんの両親とはちょっとした
「先輩後輩、ですか?」
「ああ、同じサークルに
「そう、ですか……」
「そこで、此処からが
「栞のお父さんが⁉」
けど、
もしかしたら、僕の両親と栞のお父さんの間に何かあったというのも
そう、思っていると。吉蔵さんが
「もう大体予想はついている。
「……どういうことですか?」
おそらく、この時の僕はけっこう殺気立っていたのだろう。自分自身、精神的な余裕が無かったのかもしれない。
思わず、吉蔵さんに
そう、
「言ったはずだよ、別に輪廻くんを
「事情、ですか?」
僕の言葉に、吉蔵さんは静かに
「ああ、ある日を
「……………………」
何者かの、意思?
果たして、その何者かの意思とは
「あの日、何があったのか私たちにも
「悪意、ですか?」
「ああ、今回の事件。恐らくは栞くんが
「栞を、
思わず、声が上ずってしまったのは
不安からくる僕の言葉に、吉蔵さんはやはり首を左右に振った。
「いや、
吉蔵さんは、自信を持って
「どういうことですか?」
「いろいろと
「…………
顔に出ていたのだろう。吉蔵さんは苦笑を浮かべて僕の頭を
少し、くすぐったい気がする。くすぐったいけど、それでも吉蔵さんの顔をまっすぐと見上げた。
「そう
「そうですか。ですが、これだけはどうか今、
僕の言葉に、吉蔵さんは
たとえ、
そう、思っていたら。こつんと頭を
「少し、
「……じゃあ、どうして」
「
「…………何者かの、悪意」
「
「……はい」
「すまない、これ以上はどうやら本当に話している
見ると、そこは確かに人工島の駅ホームだった。もう、着いたらしい。
思った以上に、話にのめりこんでいたようで。少し、以外だった。僕がこんなにも一つの
でもまあ、
そうして、僕は座席から立ち上がり直通電車を
「すいません、では行きましょう。
「うん、人工島の
「ああ、ニューオノゴロ
ニューオノゴロ銀行。人工島で唯一存在する、超大型銀行。中央区に
その銀行の、しかも
そう思っていると、
「その銀行の、秘密地下金庫に君の両親が君のために
「……何ですって?」
思わず、
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