【ウ】 労働時間が……

【美香】 百海ちゃんは、その後は、ずっと「⼣⽅のシフト」だけで働いていたの?


【百海】 それがね。ある⽇、こんなことがあったの。⼤将に呼び出されて、

「来週から《活躍》してもらうからな!」

 と突然⾔われてね。ああ、来週から、少しシフトが増えるのかな、って軽く考えていたら、翌週のシフト表を⾒てびっくり! なんと、ちょっとどころか、今までの3倍くらいに、増えているのよね。


【美香】 3倍! それはまた極端ね! それで、百海ちゃんは、そのシフトでの仕事を、やりこなせる⾃信はあったの?


【百海】 ううん。

「ホントにこんなのやれるのかしら?」

 と、ものすごく不安になったのを覚えているわ。


【美香】 でも、⼤将さんは、百海ちゃんを信頼して、その時の百海ちゃんならやれるってお読みになって、⾔って来られたんじゃない?


【百海】 うん。あたしもそうだと思う。だから、そうやって頼ってきていただけて、正直うれしかった。


【美香】 そっか。それにそうでないのなら、ほかにも⼈はいくらでもいたんじゃない?


【百海】 そうね。だから、よし、ダメもとでやってみるかって。


【美香】 それで、やってみてどうだったの?


【百海】 それで、⾶び込んでみたら、意外と何も問題なく、1週間こなせてね。しんどくならないし、むしろ⽣活が充実して、ちょうどいいくらい。


【美香】 そうなのね。急に⻑時間働いたのに、なんともないなんて、すごいわね! ⼤将さんの読みは当たっていたわけね。


【百海】 うん。⾃分でもびっくりだったけど、同時に⾃分にものすごく⾃信がついたわ。あたしはもうここまで回復していて、こんなに働けるんだって。


【美香】 そっか。「仕事⼀筋・藤井百海」の誕⽣! というわけね。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る