【改訂版】育児放棄された転生幼龍はいずれ神に近き龍と化す
冰鴉/ヒョウカ
第1話 憧れた龍へと転生!?
俺こと【橘 氷樹】には幼い頃からずっと願い続ける夢があった。
それが『龍になる』という事だった。
ふとした時に空を飛びたいと思ったり、強大な力を振ってみたいとか思ったりした。願い事をする時があれば決まって『龍に成れます様に』と願っていた。
けれども、それも年齢を重ねるごとにどんどんと現実を見始め、龍に成るなんて到底無理だと思い始めていた。
だって龍というのは実質爬虫類なのだ。哺乳類である人間がたとえ現人神になったとて、姿形は人のまま……龍になるだなんて到底無理な事なのは重々承知していた。
そもそも現実で龍なんて存在してたら大騒ぎだ。即座に討伐隊が組まれてフルボッコにされるだろう。いや、龍ならばきっと兵器を使う人間なんて簡単に消し飛ばすとは思うが。
そんな感じで諦めも若干感じながらも、やはり捨てられない夢を持ったまま俺は高校を卒業。どんな大学生活が待ってるのかな~と期待と不安を抱きながらも外を歩いていた時──
突如として頭部に謎の強い衝撃を感じ、意識と共に命を落とすのであった。
◇
……どこだ此処。暗いし、何かに覆われている。棺桶か?
確か、俺は死んだはず。通り魔なのか、事故なのかは知らないけれども、確実に命を落とした感覚があった。だから俺が意識を取り戻す事なんて無いはずなのに……何故か意識がある。
身体は多分動かせている。暗くて視界が取れないからどうなってるかは分からないけれども、なんとなく……この自分を覆っている何かは壊せる気がする。
まぁ、とりあえずここから出てみないと何も把握できなさそうだしこの俺を覆っている物を壊してみるか。損害賠償とか求められても困るけどね。
て事で……せぇのっ!
『メキッ、パキパキパキ……パキンッ! 』
うわっ、まぶしっ! いけど、まずはここがど、こ……? え?
突き破る感覚が妙に卵っぽい覆っている物を突破し、暗闇から解放された途端に視界が真っ白に染まる。若干日光に目をつぶされかけたけども、次第に視界が戻ってきて周りを見渡せるようになった。
そして抱いた感想一つ。……マジで何処だよ此処。
辺りはまばらに木が生えており、森というよりも林っぽい。俺が暮らしてた日本にしては空気が澄んでて結構心地良いし、凄くリラックスが出来る。
俺を覆っていた物に目を向ければ、見た目は灰色の卵の殻だった。……えっ、俺これに入ってたの? いや、明らかに小さくて入らないでしょ。
っと思ったところで気付いた。妙に視点が低い。
まるで寝そべってるかのような視点の低さ、自分的にはこの卵の殻っぽいのを支えにして立ってる感じにも関わらず、こうも視点が低いのはおかしい……
『クオオオォォォォォンンン!!!』
唐突な叫び声……いや、鳴き声? が聞こえて視点の低さの事を後回しに、鳴き声が聞こえた方──上空へと視線を向けると……そこには白銀の龍が羽ばたいていた。
えっ、龍!? いやドラゴンか? いやそんなことはどうでもいい……凄い、めっちゃカッコいい……!
上空で羽ばたき、滞空してるドラゴンは非常にかっこよかった。まるで俺が夢にまで見たほどに願ったドラゴンがそこに現れたかのようで、魅入ってしまった。
生態系の頂点と肌で感じれるほど、その姿には威厳があり、平服させられそうなほどの神聖さすら感じられる。
上空に居るから細部までは観察できずとも、自然界では圧倒的な武器となる巨体と、その巨体を支える強靭な四肢は見て取れるし、その巨体を浮かせるために羽ばたいてなお一切破れる事なぞ無いと思わせられる翼は圧巻だ。
そして何よりも……その身体を覆い、鉄壁をはるかに超える程の防御を誇るであろう純白の鱗と殻が非常に美しい。
その鱗と外殻は新雪の様に白く、輝いていて、白色であるにも関わらず銀色を幻視してしまうほど……
もしあのドラゴンが現代に居れば大騒ぎだ。宗教団体は神の使いだとか騒ぐだろうし、一部の権力者はあまりにも美しいドラゴンの素材を求めて大軍を派遣するに違いない。
と、ある程度興奮したところで俺は一旦冷静になる。
考えることは一つ。何故あんな存在が居るのか? だ。現代に存在してはならないほどの……それこそ、ファンタジーのラスボスにでも出てきそうなドラゴンが存在するなんて一切聞いた事も見た事もない。
もしかしたら何処かの国が秘密裏に生み出したのかもしれない……けど、あそこまで理想的な龍を創る事なんて出来るのだろうか?
──と、考えていると上空で滞空していた白銀の龍は何処かへと飛んで行ってしまった。
未だに魅入ってしまっている俺は白銀の龍が飛んでいた方をぼーっと見続けるのであった……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき
はい、こちらの作品は私の処女作の改訂版となります。
改訂……というよりも書き直しという方が合ってそうですが、まぁそこはどうでもいいですね。
是非是非この作品をお楽しみください。
それと、こちらの改訂版をある程度更新出来たら、現在公開中の元作品の方は非表示に致しますのでご留意を。
また、こちらの作品は書けたら即更新というスタンスを取りますので、更新は不定期になります。
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