第7話
「先輩以外って……三日前にあんたとシたでしょうが」
「そーだったわ。じゃあさ、今日も俺にしない?」
そしてこの男も、“恋人に昇格しない関係”の例外ではない。なんだかんだ一年も二年も同じクラスで、今も席が隣。
……腐れ縁。そんな感じで、彼もまた、私の寂しさを満たしてくれる一人で、一年のときからこの関係は続いている。
どうやって始まったのか……私が遊んでいると噂を聞いて声をかけてきたのか、それともただ私と遊びたかっただけか。
よく覚えていないし、過程はどうだっていい。
きっとそれは田邊も同じ。
田邊も私も決して相手に本気にならない、価値観が似ている。だから一緒にいて楽。
「いいけど、今日スーパーに買い出しに行く日。いい?」
「いいよ。喜んで荷物持ちになるわ」
「じゃ、決まりね」と、私の髪の毛に自分の手を通す田邊。私はそれ以上何も言わないで、特に写すつもりのない黒板をぼーっと眺めていた。
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