第3話
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──寂しい夜は、体を重ねることでしか満たせない。
こうして私は今日も、寂しい夜を埋めるための日々を過ごす。
「せんぱい、奥、やだ、っ」
「嫌?自分から跨って腰振ってるくせによく言うよ」
「ち、ちが……っ先輩が、下から、っ」
「……んー、とりあえず黙って一緒にイこっか」
肌と肌がぶつかる音、スイッチの入った激しさのせいで響く水音。先輩の口角が斜めに上がる。シているときの先輩は意地悪くわざと言葉にして羞恥心を煽って、それでいて彼女みたいに、宝物みたいに抱きしめてたくさんのキスを落としてくれる。
……やめられない、先輩はやめられない。
満たしてくれる。気持ちがなくたって嘘だって、大切にしてもらえていると錯覚できることは私にとって最重要事項だ。
「今日もかわいかったね、
ふたりで果てれば、先輩は必ず私の目を見ながら頭を撫でて抱きしめてくれる。
心地良いカンケイ、いつ崩れるかわからないカンケイ、欲で繋がれたカンケイ。
先輩との関係は誇れるものではないけれど、私から手放すことはできない。
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