【完結】萌えキャラなし縛り教官
サルサの腰
第1話 ヘラヘラした女
俺はアイツラが
偉大なる
だが、ダンジョンの中で俺はやつと遭遇した。
「なぜ貴様がここにいる。貴様との同行は断ったはずだ」
「どうして私じゃ駄目なんですか?!私、可愛いですよね、ぷぅ」
女は確かに顔はいい。だが違うんだよ、なんかこう、駄目なんだよ。
「は?可愛くねぇよ」
「もう、どうしてウソを付くんですか!ぷぅ」
「ウソじゃない、お前は”根本的に駄目”なんだ。”すべてが間違っている”」
「だから、どうしてですか?ぷぅ」
仕方がない、俺がこの女を許せない理由を一つ一つ教えてやる。
「まずその幼い顔!何だそれは、本当に冒険する気があるのか貴様は!」
「なぁッ!?幼いですって?私、これでも17歳ですよ!ぷぅぷんぷん!」
「ではそのコスチュームはなんだ!一体どういうつもりでそんな
「こ、コスチュームとはなんですか!これはれっきとした私のぼ・う・ぐ、防具なんですよ!ぷぅ」
女はむー、とほっぺたを膨らまして俺の
「あぁ!?舐めてるのか貴様は!ではなぜ全身の60%は肌を露出しているんだ!そのぼ・う・ぐは一体何を守っているんだ!」
「こ、この防具はちゃんと私を守ってくれてます!敵の攻撃が私の露出した肌の部分に当たってもダメージはきっちり防御の数値分軽減されます!ぷぅぷっぷぅ」
女の防具は腹はがら空きだし、胸も上半分、足は全て露出している。
「だから、それはなぜなんだ!なぜ直撃しない!なぁやっぱりバリアなのか?バリアなんだな!ぜってぇおかしい、インチキだろ!狙うだろそこをよぉ!切り傷ができて血が
「ね、狙う!?教官、私の肌色を狙ってるんですか?もう、教官のエッチぷぅ」
女は俺の頬に指をちょんとした。
「ッ!ぐぅ、殺意の、波動が抑えられん。静まれ…!俺の、俺のぉおお」
俺はこの完全無欠に間違った女を許せるだろうか、いやない。
「教官何をしているんですか?またチュウニ=ビョウですか?700年前の勇者ケンゾーが残したグローリーストーンの一節にありますが、チュウニ=ビョウは20を過ぎる頃には完治するそうですよ。いい加減に年齢を自覚してください、教官は今年30で…」
「やめろ!幼女が、不用意に!歴史を語るな!お前は一体何歳だ?700歳か?えぇ?幼女なのにババアになりたいのか!?あと俺は断じてチュウニ=ビョウではない!」
反論していて
「ひどい!幼女虐待ですよ!それに私の言葉を
「黙れ!貴様、恥をしれ!そんな破廉恥なコスチュームを着てよく大手を振って歩けるな。俺が親だったら泣くぞ!」
「だからこれはぼ・う・ぐです!ぷぅ。もうわかりました。教官って本当はスケベ親父だからそういうことを言うんですね、本当は自分がスケベだから私を遠ざけようとするんでしょう?ぷぅっぷりぃ」
女はからかうように俺の耳にふぅッと息を吹きかけた。キレた。
「なんだと貴様!これだけ俺が嫌がっているのがなぜ貴様には分からん!まず常識というものがないのだ貴様は!では百歩譲って俺がスケベ親父だとしよう。ではなぜ貴様はそこでドン引きしたりしないのだ!貴様もうら若き女子を自称するならドン引きしてしかるべきであろう!それなのにしないということは、俺がスケベ親父ではないか、貴様がうら若き女子ではないかのどちらか!つまり
「もう、教官ったらそんなに慌てちゃって!私は教官がスケベ親父でも遠くにいったりしませんよ、このいけず、ぷぅ」
「くそっ、調子が狂う!この女のペースに乗せられては駄目だ!もっと、俺はもっと孤独にならねばっ!」
俺が一人自分と格闘していると、女が何かに気づいた。
「教官、魔物ぷぅ」
「ッ!魔物だと…!あれはトロールの群れか!おいアゲハ、お前は下がって…」
「いきますよ!私の
「…」
トロールの群れは天から降り注ぐ無数の光の剣によって貫かれ
トロールの群れは跡形もなく消え去った。
「殲滅すなぁああ!おい!おいおいおい!なぜだ、なぜ貴様は殲滅する!貴様は悪魔か?幼女の皮を被った悪魔なのか!?」
「悪魔なんてひどいですぅ、私が殲滅したらどうしていけないんですかぷぅ」
「だめなんだよ、俺の前でそういうことをしてもらっては!俺は貴様のような自分を可愛いだの、周りから可愛いだのとチヤホヤされる
「いえ、元から使えましたぷぅ」
「なぜだ!なぜ天はチヤホヤされてるやつに広範囲殲滅魔法を与える!そしてなぜ俺は使えん!これは差別か、そうなんだな!」
「教官落ち着いてください、差別はあります!ぷぅ」
「くそぉおおおおお!」
「でも、それでもいいじゃないですか。私は広範囲殲滅魔法を使えますけど、教官はその剣があるじゃないですか。私は教官の剣が好きです、ぷぅ」
「貴様…」
「教官…」
俺とへらへらした女の視線が交ざり合う。
「おっと、そろそろ俺が教える冒険者見習いの奴がやってくるはずだ。おい貴様もう帰っていいぞ」
「でええええ、これから私と冒険行くんじゃないぷぅ?」
「黙れ!俺は貴様みたいな”根本的に間違ってる”やつとは冒険に行かないと決めているんだ!」
これは、萌えキャラを許さない教官と萌えキャラたちのお話。
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