「過ぎたるは及ばざるがごとし」殺人事件
森本 晃次
第1話 タクシー業界
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年2月時点のものです。時代背景と時代考証とは、必ずしも一致するわけではありませんので、ご了承ください。一種のパラレルワールドでしょうか?
早朝の6時過ぎくらいであろうか? まだ街は夜が明けておらず、まだまだ寒風吹きすさぶ中、中央に池をいただいているかのような都心の公園で、周囲が、ランニングコースになっているところで、
「死体が発見される」
ということが起こった。
発見したのは、公園の掃除をしている人たちで、週に一度、決まった曜日に、清掃会社を雇って、掃除をしているのであった。
ここ数年、
「世界的なパンデミック」
というものが起こったことで、清掃会社とは、清掃契約を中断していたのだが、それも、お互いに、
「しょうがないこと」
ということになった。
ただ。政争の従業員やパートは、他の清掃場所に入ったりしていたが、さすがにパンデミックというのが、数年に渡って続いてくると、
「そういつまでも、雇用の維持もできない」
ということで、
「リストラ」
を敢行するということになったのだった。
それでも、企業側が、
「精一杯の努力をする」
ということで、リストラは最低限にとどまった。そのおかげか、
「パンデミックによって離れていった職員の補充を、パンデミックが落ち着いてきたことによって他の会社のように、人手不足」
ということにならなかったのだ。
他の会社は、人手不足からか、
「今はきついけど、すぐに従業員が戻ってくるので。一時の我慢です」
といって、従業員をなだめてきたが、実際に、それからしばらくして、従業員が確かに戻ってきたところも結構あった。
しかし、中には、
「人手不足」
という問題が、深刻化しているところがあった。
それは、
「世界的なパンデミック」
というものに端を発しているわけではなく、パンデミックが始まるその前から、言われていたことであったのだ。
特に、いわれる、
「2024年問題」
ということで、
「運送関係の仕事」
などで、人手不足になっている。
ということであった。
「いわゆる、インフラ」
と言われるもので、それが運送に関係があるということでの、運送関係の問題ということになっているのだ。
特に、
「宅配業者」
というのは深刻かも知れない。
最近では、郵便局などは、人手不足のために、
「土日の郵便配達は、速達や、書留のような、絶対に必要なもの以外は行わない」
ということになっている。
郵便局の場合は、それほど問題ではないが、
「宅配業者の場合の問題」
ということで、
「置き配」
という問題がある。
今の時代は、ほとんどの家庭が一人暮らしであったり、共稼ぎということで、
「昼間誰もいない」
ということが多かったりする。
しかも、宅配を送る相手として、一概には言えないが、
「一人暮らし」
の人が多かったりする。
それを考えると、
「置き配」
という問題が多く、
「昼間配達していなかった場合は、夜にもう一度配達する」
ということになるわけだが、それを一体誰が運ぶというのかである。
配達したとして、相手がいなかったら、また持って帰ることになるわけで、そもそも、その夜の時間に誰が配達するというのか?
ということである。
本来なら、廃達時間でもないし、配達できなかった人だけ配るということは、それだけのロスだということだ。
それでも、配達できればいいのだが、実際に、家に昼間いなかった人が、10人のうち、1、2だったらまだしも、半分以上がいなかったとすれば。
「もう一度、昼間のコースを回らなければいけない」
ということになり、損益の問題というだけのことではなく、
「物理的にできるのか?」
という問題になるというものである。
それが、
「宅配会社の、置き配問題」
ということになり、それが、人手不足の遠因となっているわけである。
ただ、実際に、宅配業者といっても、
「ネットスーパーなどによる宅配」
というのであれば、
「置き配」
というのが当たり前というところもある。
「どうしても、置き配では困る」
というところは、
「ロッカーというものを貸し出して、鍵が閉まるようにしていき、そこに、配達物が入ったドライのケースは、地区冷材が入ったクール用の発泡スチロールを入れておく」
ということにしているのだ。
マンションによっては、オートロックの外に、郵便受けがあり、その奥に、ロッカーを設置しているところもある。
しかし、今の時代であれば、それも無理もないということであろうが、だからと言って、
「すぐに、ロッカーを設ける」
というマンションもなかなかないだろう。
ただ。今のように、
「〇〇年問題」
などということで、毎日のように、世間が騒いでいると、それも当然のことのようになっていることだろう。
それこそ、
「国家プロジェクトとして行わなければいけない」
というレベルであろう。
「持続可能な開発目標」
と言われる、
「sdgs」
のようなものである。
運送とは少し違うが、
「すでに人手不足」
ということが、庶民の目にも明らかになってきているのが、
「タクシー関係」
ではないだろうか?
運送会社というのは、
「世界的なパンデミック:
というものが起こる前から、
「人手不足になるのではないか?」
と言われていたのだろうが、タクシー会社関係は、そこまで問題視されてはいなかっただろう。
ただ、タクシー業界というのは、
「ブラックで曖昧なところがある」
ということはいわれていたので、それが、
「世界的なパンデミック」
によって露呈したといってもいいだろう。
何といっても、タクシー業界というのは、従業員としては、
「世間でも、相当だ」
と言われるほどの歩合制で、
「これほどのブラックはないだろう」
と言われていた。
タクシー業界というと、
「他の業界と違い、平均年齢がかなり高いところにある」
ということである。
それは、
「そもそもの給料が安すぎるので、やっていけない」
ということで、
「年金をもらいながら、タクシーの運転手をする」
という人がほとんどだからだ。
だから、
「ほとんどの人が60歳以上ではないか?」
と言われるのである。
そのタクシー会社の中で、
「消費税問題」
というものあるという。
どうなっているのか、細かいことは分からないが、
「売上の消費性は、俺たちが払っている」
といっていた運転手もいたのだ。
そもそも、タクシー運転手というのは、結構きついものだ。
「朝から勤務して、24時間」
などというのは当たり前のようであり、それだけ働いても、ノルマにいかないと、
「生活できない」
というほどになっているということである。
それを考えると、
「タクシー運転手というのは、割に合わない」
といってもいいだろう。
ノルマにいかないと、月給15万以下という月もざらという話も聞いたことがあり、
「どうすれば、そんな給料になるというのか?」
と考えさせられるのだった。
もちろん、
「聞いた話」
ということなので、
「どこか盛っている部分がある」
といえるだろう。
それを考えると、
「タクシーの運転手がなかなか戻ってこないというのも分かる気がする」
というものだった。
特に、夜中のタクシーなどは、その客層の悪さなどを考えると、
「それだけでもかなりのストレスになる」
ということであり、中には、
「タクシードライバーを奴隷のごとくあしらったり、自分は、キャバクラの女性を載せているのか、恰好をつけ、威張っている様子が見られたりする」
というものだ。
そんな男が、タクシー運転手をまともに扱うとは思えない。
「上から目線」
ということで、昔の成金のようではないだろうか?
まだ本当にお金を持っているだけに、成金だとすれば、お金を余計にもらえる可能性があるので、我慢できるが、
「ただの、上から目線の痛い客ということであれば、どうにもならない」
といってもいいだろう。
かといって、客に乗車拒否もできないし、睨みつけるわけにもいかない。
相手が腹を立てて、こついてきたりすれば、我慢しなければいけないという辛い商売である。
ただ、最近は
「煽り運転」
などというものがあるおかげといっていいのか、
「ドライブレコーダー」
というものが装備され、そこに画像が残ることから、客の方も、理不尽なことをしなくなったといえるだろう。
ただ、それも予防という意味で、実際には、酒に酔って、前後不覚になったりすると、殴ってくる人もいないとは限らない。
そうなると、あとで訴訟はできるだろうが、その時は、
「殴られ損」
ということになるだろう。
それよりも、殴られたことで、怒り心頭な状態にさせられると考えると、
「こんな商売やってられない」
と感じる人もいないわけではない。
そう思えば、
「世界的なパンデミック」
という時はそんな客どころか、
「他の客も誰もいない」
ということで、一日表にいても、
「タクシーの利用者が数人で、皆ワンメーターだけ」
ということがほとんどだったことだろう。
かといって、
「緊急事態宣言」
の最中でも、
「インフラはストップさせない」
ということで、タクシーは出てもいいということだった。
というのは、
「なるべく、保証金を出したくない」
という国の本音というものがあったからだろう。
パンデミックの最中は、政府が、
「水際対策」
というものを怠ったことで、感染が起こり、それが、さらに広がってしまったことで、何を思ったか、
「水際対策が先だ」
というのが当たり前なのに、最初にやったことは、何と、
「学校閉鎖」
だったのだ。
伝染病は、
「外国から入ってきている」
ということも分かっていて、
「どこの都市が、その発生源か?」
ということも分かっている。
他の国では、
「水際対策」
というものを、どんどん行っていき、少なくとも蔓延させないようにしようとしているにも関わらず、
「学校閉鎖」
というものをしたにも関わらず、
「発生源である国家の元首」
を、
「国賓として招く」
などとふざけたことを言っていたが、さすがに、世論や。マスゴミ、そして、他の政治家からも総すかんを食らうことで、さすがに政府も、
「やっと水際対策を徹底させる」
ということになったのだ。
それと一緒に、
「緊急事態宣言」
という、大日本帝国における
「戒厳令」
の足元にも及ばない、
「生ぬるい政策」
を出したのだった。
日本国民が、危機感を持ったことで、何とか、ゆるい政策であっても、何とか体裁が整ったが、本来であれば、
「緊急事態宣言でよかった」
と思っているのは政府であろう。
もし、これが、
「戒厳令」
のようなものであれば、国民の権利の一部を奪って、それを破れば、
「罰則がある」
ということなのに、
「緊急事態宣言」
というものは、あくまでも、要請レベルであり、命令というわけではないのだ。
これがどういうことなのかというと、
「保証金を出す義務がない」
ということを国民へアピールしているのだ。
とはいえ、まったく出さないということになると、
「政府への批判」
というものがひどいものとなり、結局、政府は、
「近い将来、転覆する」
ということになるだろう。
だから、何とか、少しだけの支出でいいように、
「緊急事態宣言」
というような甘く、曖昧なものを作って、煙に巻こうとしているのであろう。
海外では、
「ロックダウン」
という、
「都市封鎖」
をすることで、何とか、蔓延を防いでいるが、その体制が厳しいことで、国民には、保障をしているのである。
日本の場合は、保障をするといっても、手続きが面倒くさかったり、手続きをしても、間違いが多かったり、さらには、実際に金が降りるまでに時間が掛かりすぎて、保障が出ても、
「会社は倒産」
という、本末転倒なことになるのだ。
だから、事業主によっては、
「世間から何といわれても、従業員の生活と会社をまもらなければいけない」
ということで、堂々と宣言破りをする人もいるだろう。
しかし、それを誰が責められるというのか、
「従業員を守るため」
ということであれば、仕方がないといってもいいだろう。
しかし、だからと言って、それに便乗する輩も出てくるというものだ。
何といっても、
「マスク着用を義務」
としているにも関わらず、
「マスクを買い占めて、転売して儲ける」
というとんでもないやつがいるのだ。
「世間では、大混乱になって、マスクが手に入らない」
ということは、
「感染したくない」
ということから、
「工場なども閉鎖して、肝心の生活必需品ができない」
ということになり、結局。
「転売するものができない」
ということになり、やつらだって、損をするということを分かっているのかいないのか、
「ただ、その時儲かればいい」
ということだろう。
確かにマスクでは、だいぶ儲かったかも知れないが、長い目で見ると、伝染病が長引けば長引くほど、転売が遣りにくくなり、あいつらも、
「自分で自分の首をしめる」
ということになるだろう。
それを考えると、
「これほど、本末転倒なことはない」
というわけで、
「先を見ることもできないくせに、余計なことをするんじゃない」
と皆思っていることであろう。
そんな緊急時代宣言中は、タクシーに乗る人もおらず、結局、会社は台数を減らして、従業員もリストラということになるのだ。
「タクシー業界にも補助金が出る」
となったのは、緊急事態宣言に入ってから1か月後ということであった。
あまりにも遅すぎるというものである。
宣言が終わり、次第にパンデミックが収まってくると、タクシー利用者も、だんだんもとに戻ってくる。
まだまだ以前ほどの賑わいではない。
という状況であるにも関わらず、すでに、
「人手不足」
ということになっていた。
それが、世の中の理不尽さを表しているということになるであろう。
しかし、
「世界的なお案でミック」少しずつ収まってくる中で、、
「他の企業は、従業員が戻ってきているのに、タクシーは、戻ってこない」
ということになるのか?
それは、やはり、
「辞めていく時の、あのパンデミックの地獄を思い出す」
ということと、何といっても、
「一旦、他の仕事をしてみると、給料面から、あまり変わらない給料なのに、あれだけ大変な仕事」
ということで、それまで知らなかった他の世界を知ってしまったからだろう。
何といっても、他の仕事であれば、
「安定」
というものがある。
パンデミックの前までは、そこまでは考えていなかっただろうが、他を知ってしまうと、
「タクシードライバーというのは、どれだけ安定性のないものか?」
ということを思い知ると、そのブラックで曖昧な部分を感じてしまい、
「誰があんな世界に戻るか?」
ということになるのだろう。
これは、タクシー業界に限らず、他の業界にも言えることだろうが、特にタクシーは、
「よく利用する」
という人たちにとったは、結構大変だ。
昔は、タクシー会社に電話して、配車をお願いしても、
「今は近くにいません」
と言われるのは、金曜日の夜だったり、雨の日くらいのものだったが、最近では、平日の夜でも、似たような状態だ。前であれば、
「都心部の駅にあるロータリー内のタクシー乗り場には、タクシーがたくさん待機していて、客は並んでいない」
という光景をよく見かけたが、最近では、逆のことで、
「タクシーが一台もいないので、客が長蛇の列を作っている」
という光景を多く見かける。
「駅でタクシーを拾っていけば、大体どれくらいの時間で、目的地につける」
ということを、だいたい計算できていたが、今ではそんなこともできないようになってしまった。
それだけ、タクシー業界というものが、
「パンデミックの前と後で、状況が変わってしまった」
ということになるのであった。
この公園は、前述のように、ジョギングコースのようになっていて、ジョギングする人はもちろん、散歩の人もたくさんいた。池のまわりをコースは時計回りと決まっていたので、そこをそれぞれのペースで利用しているのだった。
回り方が決まっているので、最初スタートラインで一緒でなければ、なかなか最後まで一緒ということはない。特に、ジョギングと散歩で、通行区分が別になっているので、まったく危ないということはない。
「別に自転車が通る道ではない」
ということなので危険はないのだろうが、その公園の遊歩道は、
「走る人と歩く人で、中央で区切られていた」
ということだ。
時計回りと決まっているので、徒歩の人が右側通行だということになれば、おのずと、「池側は、歩行者」
ということになる。
その方が結構しっくりいくというもので、あとから思えば、
「時計回りにした」
というのは、正解だったと思えるのだった。
走る人も、そんなに急いで走る人はいない。以前は、マラソン選手のような人もいたが、最近では、ジョギングや散歩をする人が増えたので、マラソンの練習をするには、ジョギングの人が邪魔だったのだ。
それだけ、ジョギングや散歩の人が増えたというのには理由があった。
これも、前述の、
「世界的なパンデミック」
というものが、ここでも影響してきた。
「タクシー業界」
や、その他の企業のように、
「人手不足」
という問題が影響しているわけではない。
確かにおかしなもので、
「かたや人手不足」
ということになっているのに、失業者は増えている。確かに専門職が人手不足ということなのだろうが、そもそも、その専門の資格を持っている人間が、
「あの業界はブラックだ」
ということで、他の職に就くということなのだから、今までやっていた人が切られてしまって、戻ろうとしても、仕事がないということになるのであろうか、
それを考えると、理不尽さを感じないわけにはいかない。
その理不尽さというのは、どうしても、
「目の前で自分の職を犯してきた。他からきた従業員」
に目が行くのだろうが、冷静に考えると、その人たちが、
「戻りたくない」
という前職の、そのブラックさが招いたことである。
世の中は、
「世界的なパンデミック」
というものを迎えて、変わらなければいけないところに来ているのだから、
「今まで通りでいい」
などということはない。
そんなことは分かっているはずなのに、どうしても、そのことを考えずにいられないのだ。
やはり、
「世界的なパンデミック」
というのは、
「時間差で、その影響が出てくる」
ということで、国が、その基準を、
「他の既存の伝染病と同レベルに引き下げる」
という対応をして、政府は、
「ピークが去った」
ということにしても、それは、あくまでも、
「政府の都合」
ということであり、ハッキリいえば、
「国が金を出したくない」
ということだ。
引き下げなければ、
「医療費はすべて国家持ち」
ということであり、当然、
「検査費用も、ワクチン代も、入院費も」
すべてが国家から供出されるということになるわけだ。
しかも、
「経済が停滞したままで、
「これ以上は、国家の存亡にかかわる」
とでも言って、強引な引き下げを行った。
それまで、毎日のように、感染者数を伝えていたマスゴミが、それを伝えなくなった。
それも当たり前のことで、一切、自治体が発表しなくなったからだ。
「毎日のように夕方になると出ていた知事の顔を見ることはなくなったな」
ということである。
あれから、まだ1年も経っていないが、
「そういえば、知事ってどんな顔していたっけ?」
というくらいに、遠ざかっているような気がするくらいである。
ただ、その時間差がどれほどあるのか、引き下げられる前の混乱がまだまだ残っていて、その影響が今の、
「人手不足」
という状況に拍車をかけているのだろう。
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