第72話 ロックオンされた男③
フフッ、何、あの不貞腐れたユジンの顔。
やっぱりあの子を
一応、私はあなたの社長よ。その社長の顔をあんなふうに睨んじゃって。
それに、まーた、あなたは私に嘘をついて。
あなたが待っていたのはこれからここに来るかもしれない人ではなく
さっき、私の後ろを静かに通って行ったであろう。
バイト終わりの間宮くんでしょ。
知ってるわよ。
だって、何を考えてかはわからないけど、あなたが一度ここを離れた時に、実は私はここに来ているのだから。
そして、その時に彼がここで働いていることはひっそりと確認させてもらったから。
だけど、これについては本当に私も驚いちゃった。
フフッ、こうも人の印象って変わるものなのね。
そして、お目当ての人物がまさか私のすぐ隣にいたとはね。
さっき、それを知った時には、思わず久しぶりに心から笑っちゃった。まさに灯台下暗しってやつね。
さすが、ユジン。
また、私の期待を裏切らない働きをしてくれたわね。完璧よ。
「......」
それにしても、間宮健人。
あなたはあなたで、何でわざとそんな目立たない格好で学校生活をぼっちとして送っているのかしら。
ちょっと意味がわからないわね。
フフッ、謎の多い男は嫌いじゃないけど。
ただ、謎が多すぎてあなたのことをほとんど何もわからないままと言うのは、ちょっと今後の計画に支障がでるところ。
とりあえず、彼の学校生活の様子、そしてあの人たらしのユジンが、全然心を開いてもらっていないところを見る限り、すぐに私たちの仲間に誘っても首を横に振られることは目に見えてわかる。
前提条件、彼の正体を知らないていで、じわじわとアプローチしていくことはまず確定ね。
フフッ、幸いにも時間も彼との接点もかなり恵まれた距離に私はいる。ここで焦ったりするのは二流、いや、三流の人間のすることよ。
あと、動画の編集者もやっぱり別にいるはずね。
彼が自分のことを自分自身であんな感じで動画にする様な人物でないことは間違いない。
ま、そこは彼さえ仲間に引き込めればついてくるはず。心配ないわね。
「......」
フフフッ、でも本当、今思い出しても面白かったわね。さっきのユジンの顔。
私があなたの前に座った時の、今すぐにでも彼を追いかけたいのに追いかけられない何とも言えないあの時の表情....
もう、本当に可愛い子ね。ユジン。
ま、この私に嘘をついた罰よ。
フフッ、反省しなさい。
「.....」
でも、そうね。
間宮健人。
焦らないとは言えども、何か一つでも彼とのとっかかりとなるものの情報がまずは欲しい。
何かないのかしら...。
何か...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます