魔王は勝利した
藍無
第1話 勝利
魔王は勝った。
今、この瞬間、魔王は勇者を倒した。
その場にコロコロと勇者の首が転がる。
「きっさまぁぁぁぁぁ!!」
勇者のパーティーメンバーが怒り狂って、俺の首を狙おうとしてくる。
無理に決まっているんだけどな。
こいつらは、馬鹿なんだろうな。
俺は、きらきらと希望に満ちた瞳が一番嫌いだ。
絶望のどん底に突き落としてしまいたくなる。
だから、この世の中で勇者パーティーが、そいつらを褒め称える人々が一番嫌いだ。
どうしようもなく憎悪の感情が這い上がってくる。
俺は、勇者パーティーメンバーを全員殺した。
「はあ。」
勇者。
こいつは死んでもなお俺を不快にする。
こいつらのせいで広間の赤い
「アイ。」
俺は、広間の掃除をさせようと思い、メイドを呼んだ。
「はい、かしこまりました。」
まるで、こちらの言おうとしていることが分かっているかのようにアイは広間に転がる勇者一行の死体を片付け始めた。流石はアイだ。
俺は退屈なので玉座から降りて、魔王としての仕事を行おうと思い、執務室に『転移』で戻った。
すると、そこには執務室の書類をあさる白髪の女がいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます