第5話 かつての男子高校生、中学時代から十年後を迎える

あれはたしか部活動の時だったか....俺は逆ギレして喧嘩した....すごくダサかったと今では思う。中高学ラン+卓球部の俺にとっては上出来だが、男子シングルス地区大会ベスト32に入った。本腰を入れていないにもかかわらず、だ。エースが大会に出場し、団体はリザーブだったが準優勝し俺も表彰された。実は俺の卒業した中学校は強豪として知られており、所謂"ガチ勢"だった。体育の成績もリザーブの俺を含めて大半が5をとっていたし、ほかのスポーツにおいて比較的顕著な成績を修めていたのだ。下級生含めれば三分の一以上が補欠にすらなれないマンモス部でもあった。また、大会の出場権をかけて争うこともあった。好きな女子はいなかった....勉強と部活動のストレスで参っていたからだ。それもあっておかしな行動をとることもあった。友達は二人。一人はザ・理数系王道イケメン、もう一人も同じく理数系だが高身長。一人のザ・理数系王道イケメンの方は告白されていた。大学受験には失敗したが。「ねぇ、お母さん。」「何?今忙しいから早くして!」「一条君はザ・理数系王道イケメンだよね?じゃあ俺は?」「あんたは一条天君みたいにイケメンではないと思うけど?」「いや、頼むって!今美容師の佐藤一希君にイケメンになる方法を教わってるんだから保証付!」「わかった。ザ・文系素朴系イケメン。」「母親に言わせてみたかったセリフランキング2位!」まぁこんな感じで振り返ってみると当時は辛かったけどいいものだったなぁと感慨深い気持ちになった。洗練されていて垢抜けているという意味でのイケメンではないというニュアンスはコンタクトをあえてつけずメガネをかけていたというだけで弁明になる。メガネは人間の顔を良い意味でも悪い意味でも変えるからなぁ、とふと思った。まぁとにかく、国語と社会で1、2を争うレベルの成績競争を全盛期に繰り広げたことのある俺はザ・文系まで確定しているのだが、王道イケメンになれるかどうかはこれから次第。

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