公立伝統名門男子校の劣等生はドイツに魅了される
大谷忠正
第1話 その男子高校生、孤立しオタ活を始める
1年1組に在籍する俺....そう、学年主任のクラスである....プレッシャーに押しつぶされそうになった俺はとあることを思いついた、そう、現実逃避である。
「先生、部活動やめさせてください。」
「いいけど、見てきた中で何か一つやめると全部ダメになる人がほとんどだったということだけ言わせて。それでもやめたい?。」
「はい。」
こうして俺は卓球部をやめた。正直安堵した。これで勉強に身が入ると考えたからだ。ちなみに部活動の顧問は1年1組の物理教師で恩師でもあった。だが、その後成績は落ちていく一方でついには学校に行かなくなった。
昼間登校が日常茶飯事になった時、俺は何をしていたか?そう、オタ活である。高校生になって初めてスマートフォンを手にした俺はゲームやアニメにどっぷり浸かった。
男子校は相変わらず味気がなかった。隣が首席。隣の隣が次席。俺は不幸な人間だとばかり思っていた。
祖父から逃げてきた現実が俺を助長させた。小さい頃祖父と母が教育方針の違いから別居状態になったのだ。それ以来干渉されてこなかったが、最後まで無理やり卒業させろと言われたらしい。無理だ、と思った。卒業してもさらなる及第点が現れるだけだと考えて絶望した。俺は現実逃避の沼にハマっていった。
「北条龍聖、留年確定」
担任から間接的にそう言い渡された。
俺は終わったなと思った。自主退学を考えるようになった。
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