第2話

「ありがとうございましたー」



コンビニで猫缶をいくつか買って外に出ると、気温差に体がブルッと震えた。




あ、綺麗。




空を見上げると、月が光り輝いていた。


小さくて白い月は少し欠けている。


冬の空気は澄んでいて、月が余計に綺麗に見える。




一週間前……クロを拾った夜も、こんな風に月の綺麗な夜だった。


そうそう、この辺で鳴き声が聞こえて見てみたら怪我をした猫が……。



「うぅ……」



回想ではなく、現実に聞こえてきたのは呻き声だった。


金曜日、一週間前にクロを拾ったのと全く同じ場所で、私は男の人を拾った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る