クラスの黒髪美少女と付き合うことになった……彼女はひどいヤンデレだった

シトラス=ライス

第1話

「や、やぁ! 高梨さん、待った!?」


「佐藤くん!?」


 俺、佐藤健二が、学校のアイドル"高梨 花蓮"さんをナンパから救ったのはたまたまだ。


 なんだか、彼女すごく困っていたみたいだったので……しかも、俺みたいなモブ男子が、彼女と話せるばかりか、救うなんて場面、もう一生訪れないと思っていたわけで。一端にも、俺は密かに高梨さんへ好意を寄せていたわけで。


 しかも俺の行動は奏功し、ナンパ男どもはさっさといなくなったのだ。ものすごくラッキーである!


「あ、ありがとう、佐藤くん、助けてくれて、本当に……」


 そういって高梨さんがぺこりと頭を下げると、サラッサラの長い黒髪が揺れ動く。

こういう礼儀正しいのが彼女の良いところだ。


 目もくりっくりで可愛らしく、肌は側からみてもすべっすべ。

ちょっと低めの身長ながら、胸がいい感じ大きい。


 まさに美少女。俺みたいモブ男子なんかが近寄るには恐れ多い、清楚で可憐な存在なのだ。


「あのっ、助けてくれたお礼させてもらえませんか?」


 まさか話せただけでも御の字なのに、デートまでできるとは。


「あ、うん、まぁ、良いけど……?」


 俺は格好つつけて、女の子に慣れている風を装って、彼女の提案を了承する。


 そうして俺は人生初の女の子とのデートへ乗り出した。


 最初はどうなることかと思っていたけど、彼女のとのデートは案外、というか無茶苦茶上手くゆく。

で、その中で、ちょっと手とか肩が触れ合っただけで、お互い顔を真っ赤に染めたり、揃って照れ笑いをしてみたり。


 するとなんだか段々といい雰囲気が醸成されて……2人で見つめ合っていたら、


「はむっ、むちゅっ……はぁっ……佐藤くんっ……!」


 それが自然とキスに発展して……最初は啄む程度だったのが、だんだんを深さを増して……そしてどんどん調子に乗った俺は、


「あ、あのさ、高梨さん……俺実は一人暮らしなんだけど……このあとはうちでゆっくりしない……?」


「うん、良いよ……佐藤くんの、家行ってみたい……」


 あれよあれよという間に、俺は高梨さんを家に呼び込んでしまって。


「またっ、キスしても良い?」


 玄関先でそう言ってきた高梨さんの唇を再び奪ってしまって。しかも舌まで絡めあって。


「実は私、ずっと佐藤くんのことが……健二くんのことが好きだったの! だから今日助けてくれたのって、運命かと思っちゃった♡」


「高梨さん……いや、花蓮! 俺もずっと君のことがっ!」


 それから俺は花蓮をベッドに押し倒し、彼女の胸や秘園を覆い隠していた一切合切を剥ぎ取って。


ーーその日の晩、俺は童貞を捨てると共に、花蓮と一緒になって様々なそういうことを経験する。

地上の楽園、まさにここにあり。

俺と花蓮は体力が尽きるまで、延々とエッチなことに溺れてゆく。


 そうして迎えた朝。


「おはよ、健二くん……」


 目の前には裸の、高梨 花蓮という女神が居ることに感動を覚える俺。


「こんなことしちゃったってことは……私たち付き合ってるってことだよね?」


「そ、そうだね。まぁ、花蓮さえ良ければだけど……」


 俺がドキドキしながらそういうと、花蓮は嬉しそうに笑ってくれる。


 だけど……何故だろう。嬉しいはずなのに、どこか胸にざわめきを感じる。


「ふふ……ありがとう健二くん。もう私、絶対に、絶対に、絶対に、なにがあろうとも、誰が邪魔してこようとも、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、君と一緒にいるよ」


 嬉しい言葉のはずなのに、なぜか薄寒さを覚える俺だった。


「健二くんだけを、愛して、愛して、愛しぬくよ。代わりに、健二くんも、私のことを一生、ずっと、ずっと、ずっと、愛して、愛して、愛し抜いてよね! だってもう私の心も、体も、君色に染まっちゃってるんだから……ふふふ……ふふふふ……♡」


 もしかして花蓮って、俗にいうヤンデレってやつなのか!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る