第9話 分割された自分を統合するということ

人間はもともと総合的な存在だから、人間を分割するときは、意図を明らかにしなくてはならない。

つまり、学校生活。

学校で重きを置かれる評価軸はそもそも「評価しやすいところ」であり、評価しづらいところは扱われない。


分割せずに総合的に人を評価すると、結局好き嫌いに近付いていくが、本来それでよい。

好きな人同士、徒党を組めばいいし、好きじゃなくても利害関係で交渉すればいい。

そのグループに入りたければ自分を変えればいいし、嫌なら自分がリーダーになるか、違うグループで生き残りできるようにする。

これは、極普通のことで、群れることの安心感、楽しさ、主体的に動ける自由がある。


ところが、最近はこの群れる行為がしづらく、一人の人間に9教科の評価をつけるから、超人にならなくてはいけないという妄想が起こる。

1教科に対し、さらに大体5つの項目に分かれているから、最低でも自分を45分割される。


「他人に勝手に分割されて評価を受けること」に違和感はないだろうか?

意欲の評価なんて、先生の腕前が良かったら頑張るけど、下手な授業なら意欲が上がらないに決まっている。

なのに一方的にこちらの責任のように評価をつけられる。


だが、それでもこの制度が生き残っているのは、本来の姿である「総合」の評価が難しいから。

先生の好き嫌いになったら、それこそ面倒くさい。

先生の評価が「なんとなくこいつ失敗しそう」「なんとなくこいつ嫌い」になっちゃう。

実はそれ自体は大事なんだけども、大の大人がそれだとなあ、ということで評価項目を作る。

これが、職業的先生の限界であり優しさです。


じゃあどうしたら?

評価表は「自分は、他人からこう見えてるらしい」という参考に、遠目から眺めるように見る。

そういう意味では、大抵書いていることは合っている。


そして、その評価表を参考に、自分の人生計画を始める。

10代からなんて早いのでは?と、思われがちですが、私の感覚的には、「体の発達」と「世界の広がり」のスピードは合ってた方が良い。

小学生を子ども扱いして、中学生を悪童扱いして、高校2年生くらいからようやく就職か進学か、と、考える期間が短いから社会に出てリセットになってしまう。


小学校中学年くらいで子離れし、高学年から中学校にかけて鍛えて、高校からは自己責任。

それくらいのペースのほうが、子どもが楽しくいられるし親も楽。

「企画→計画→実行→反省」を”自分で”やらないことには、「進路を考える」なんて簡単にはできない。

この過程は、何年もかけて、大小合わせて何百回も繰り返すこと。

そこまでやって、自分の傾向、得意不得意がわかる。


とっくの昔にそんな時期が終わった人はどうしたらよいか。


今から主体を取り戻す。

他人に評価権を譲りっぱなしにしない。

勝手に分割されてしまった自分をかき集めて統合する。

そして自分で自分を分割することもやめる。


自分の得意でいい気になればいい。

不得意なとこは人様にお世話になればいい。

”能力”とはその程度。


むしろ助けてもらえる人格がどうかの方が大変なことなこと。

でもこちらも究極、蓼食う虫も好き好きだから、あんまり心配しなくていい。

相性良い人とつるんでればいい。

違うな、って思ったら、つるむ相手を変えれば。


だから学校で教える生活態度は、「自分を高めていくための土台、人間関係の基礎」という点で最も大切なことです。

だから、あの辺りできてれば人生半分成功したと思えばよい。


学校という機能、職業的先生には限界があります。

だから、それらを全てだなんて勘違いしないこと。

学校が上手くいかなかったな〜という人は、本人の主体が強くて良かったということですよ。


学校生活について「やってられるか、あんなママゴト」って思って塾に来る人もたくさんいます。

学校が悪いって言い始めてもしょうがないから、家庭が教育する。


もちろん親が教育うまい必要はなくて、単純に

話せればいいんですけどね。

でもまあ普通、先生と親って、話しづらいですよねw

だから第三の大人がほしいなと思うんです。


私も先生や親とは話せないタイプでしたし。

だから、本が話し相手でした。


ちなみに、この第三の大人が昨今はグルーミング野郎だったりするから腹が立つんですよ、私は。


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