第2話
危ない、
下手したら死んでたかもしれない…
真横で燃え盛る誰かの家を横目に、ひたすらに安全な場所を求めて足を進めた。
命の危険が迫るこの状況で乾いた笑いが漏れるのは、ここ一帯に安全な場所などないと分かっているからか。
街の北には、金持ちばかりが住む高い壁に囲まれた場所があるのに。
相応の職についていないと、近づくことすら
許されない。
それもそのはず。
一昔前に地区どうしの争いに勝利したあそこには、一番“光“があるのだから。
“光“がある場所は、富と土地に恵まれ、誰もが幸せに暮らすことができる。
そんな、夢の世界。
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