物語を書くまでの前日譚
〇今は昔、仔だぬきだった頃
最初は遠回りになりますが、著者が物語を書き始めるようになったキカッケを話そうと思います。
元々本は好きでしたが、どちらかといえばアニメなどの方が好きで、『アンパンマン』や『ポケモン』を食い入るように見ていた記憶があります。そのような理由から、絵を描く方を好んでいた子供でした。とはいえ、ごっこ遊びの設定に凝ったり、物語を作る課題が学校で出た時には意気揚々と取り組むなど、創作自体を好む気質は元から備わっていたと思います。
このまま順当にいけば漫画家の道を志していたのかもしれませんが、小学校卒業頃にはその想いも色を変えていきました――端的に言って、「絵を描く才能」ないし「絵を描き続ける才能」がありませんでした。
周囲の友人の方が絵が上手かったというのもありますが、それが事実にせよ錯覚にせよ、そう思ってしまったので引き返しようがありません。それでも前述のように創作がしっかりと根付いた子供だったので、すっぱり辞めるとまではいきませんでした。つまるところ転向……文章でやっていこうと思い立ちました。大体中学校に上がる頃だったと記憶しています。
その頃は一般的な中学生そのものでした。設定をノートに書いたり、漫画のノベライズを真似て自分でもやってみたり……自分のノートパソコンを手に入れてからは、更に加速しました。「自分も売られている本のような活字が書ける!」という格好良さが意欲をかき立てていました。丁度その頃は『涼宮ハルヒの憂鬱』の性別変更版『涼宮ハルヒコの憂鬱』ブームがあったのもあり、文庫本の文章を自分なりに書き直したりしていました。歳がバレかねない話ですが、今思うとかなり有効な練習手段だったと思います。
とはいえ、元から一次創作を書いていたわけではありません。どちらかといえば、二次創作が主体でした。一念発起して一次創作を投稿したものの、四話で立ち消えたものもあったほどです。二次創作も長編を書いていたものの、こちらも完結の日の目を見ずに終わりました。
一次創作を書きはしていたものの、短編ばかり――大学へと進学する頃には、「ああ、自分は長編にとことん向いていないんだな」と悲しくも悟るまでに至りました。
それがどうして一次創作の長編を書くことになったのか?
その理由は次章に続きます。
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