第2話 『やっぱファミコンつえーわ!』
「やった! ボクがチャンピオンだ!!」
ショ太が刑務所を出て半年。
とあるゲームショップにて、人々の歓喜の声が響く。
「スーファミ版マリコカートの勝者は、風巻ショ太君!!」
そうなのだ。刑務所を出所した僕は、とあるゲームの大会に出場し優勝したのだ。もともとポケバイで反射神経を養った僕にとって、コンピューターゲームごときは楽勝だった。
「優勝者の風巻ショ太君には、賞品として、コミックンボンボの『やっぱウホーガン』のサイン入り色紙を贈呈します!」
「ウホッ! うんばらほー!」
ボクは思わず絶叫してしまった。だって柴山みのる先生のサイン色紙だぜ?
たまらずオシッコもらしてしまった。
しかし、虚しい。
マリコカートのチャンピオンになったって虚しい。
ゲームが上手くなったって何になるのだろうか?
完全に自己満足と承認欲求しかないのだ。
嗚呼、僕は何を求めて生きてきたのだろう?
もういちど、もう一度。
そう。あの頃に戻って、熱い気持ちを確かめたい。
そういえば、僕の知っている人たちは、今何をしているのだろうか?
知りたいし、知りたくもない……
自分よりも、成功している人間の現状など聞きたくもないが、気になってしまうのが、人の人情というものだろうかと自分に言い訳をしつつ、僕はあの場所へと向かうことになる!
次回、波乱必死!
おれのサーキッチョ しょもぺ @yamadagairu
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