第24話 ナニカ
強盗リーダーside
俺達は金目の物を徴収するべく、この村をターゲットにし襲った。そして現在に至る。ここには弱そうな奴らしかいないしチョロいもんだぜ。部下も15人位連れているしな。
それにしても……このガキさっきから部下に銃を向けさせているというのに、一切態度を変える予兆がない。それどころかこいつ……俺達に宣戦布告しやがった!この前も俺達が強盗だと見て分かる筈なのにそっちのけで料理に手を付けようと……。舐めているのか?せっかくだ。見せしめとしてこいつを殺してやる!
「お前らよく見ろよ!俺達に逆らうとこうなるんだ!やれ!」
パン!
俺はガキを銃殺した。……完全に頭に命中した!ザマァみやがれ!――と思っていた。しかし現実はそうではなかった。奴は俺の背中をトントンと叩き……
「どうかしましたかぁ?」
「な……?」
全く何も無かった様に奴は立っていた。な……何故生きている……?確かに俺はこの目でコメカミを撃ち抜いたのを見た筈だ!あんな年端も全くいかないような奴に避けられる訳が……!
だが直ぐに俺は奴を撃ったという事が誤解であったと気づく。実際に血飛沫を吹き出していたのは部下の方だった。撃った箇所も一致している。何が起きているんだ!?自分から仲間を撃つなんてそんな事が……!
しかしその疑問を頭に巡らしている間に次なる奇妙な現象が起きた。俺達だけ何もない真っ白な空間に飛ばされてしまったのだ。こんな高度なワープ魔法……無茶苦茶過ぎる!
「さぁ……おっしおきタイムと行きましょうか!」
チュイーン…… ドゥルルッ……
そうして奴は全く見覚えがない謎の刃の様な物を取り出す。な、何だアレは……?得体のしれない物を出しやがって!こうなったら……総攻撃だ!
「お前らやれ!」
俺達は銃と爆破魔法のコンビネーション攻撃を実行する。これを使って全滅しなかった者はいない。何しろ全てが即死級のダメージだ。これなら……。
だがその予想に反して彼女は軽快なステップを踏み片手に武器を持ちながら攻め入る。まるで鬼ごっこをしているかの様な純真な笑顔をしつつ、段々と距離を詰めてくる。そして次なる犠牲者が出てしまった。
「レストインピースに行っちゃって――!」
ヴィーン――
その音と共に次々と部下を惨殺していく。そこから完全なワンサイドゲームを魅せていく。如何なる攻撃手段で抵抗するが効果はなく遂に俺一人だけになってしまった。
……奴は幼い子と言うには余りにも力と性質が解離し過ぎていた。このガキ……いや得体の知れないナニカに手を出したのが全て間違いだった……。
俺は限界なき恐怖と後悔に襲われ必死に逃げていく。生まれ立ての子鹿の様な歩き方で。
その一方で彼女は強者の笑みを浮かびながらジリジリと迫る。
「最後はデザートをたっぷり……ってね♪」
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