荒廃した都市では明らか俺が最強らしい
武河原 黒露樹
第1話 見知らぬ景色
「なんだ?ここは」
目の前に広がるのは灰色の世界。
ビルは半分崩壊し、鉄骨を空に曝している。
僕と同じ境遇と思われる人々が見えるだけでも30人以上。
それは全て学生だった。
僕の通っている高校の生徒、1年から3年まで特に学年によっては関係ないらしい。
「あ!昴!」
俺の友達である同じ2年4組の胡桃ヶ丘雄也。
僕が中学1年生の頃からずっと一緒の奇跡が生み出した腐れ縁だ。
「これなんなの?なんかのゲーム?」
「俺だってそう信じたいけど、残念ならが違うらしいな。」
困惑しかないことは僕だって十分承知の上だ。でも聞くしか無かった状況なのだ。
「てかどういう状況なの?僕たち授業中だったよね?」
「そうだよな、明らかこんな状況おかしい。」
状況整理のために話していると、瓦礫の山のてっぺんに赤髪の男が座っていた。
男の名を白金幸也。2年1組の番長的な存在だ。
「こりゃいい機会じゃないか。」
するとその途端、勢いよく立ち上がり、声を張上げた。
「お前ら殴り合え!!生き残ったものを集めて軍団を作る!」
皆は幸也に目を奪われ、現実的な考えをこぼす。
「何言ってんだお前。生き残るってまずまず死なないだろ殴り合いで」
「お前になんの権限があるんだよ!」
「そうだ!俺らはお前に従う理由ないぞ!」
その途端機嫌が悪そうに後ろに横たわっている男を見せた。
「これはお前ら大好きな学級委員長の佐々木夏海ちゃんだ。見てろよ?」
その途端、服を破り下着姿にした
「この女は力尽きている。そして今のお前らと違い、俺に従う理由がある。言いたいことはわかったか?」
さっきまでの弱腰から人質のような状態になったことにより、皆が黙って幸也を見ている。
「今こいつの権限は俺が持っている。勝ち上がったヤツらから俺の独断と偏見でこいつとヤラセてやろう。」
最低な男だ。こんな考えをするやつが本当に居たのか。
「マジ?」「でも最悪のやつだろ」「でもいいのか?」「思春期だろ、感情に任せろよ」
一瞬ざわつきがあり、沈黙があった。
「やってやるよおら!」「まぁ俺は夏海を助けたいだけだけどな?」
言い訳がましいことを言うやつは置いといて僕と雄也は気づかれないようにその場を離れようとした。
「おい、そこの2人、逃げんなよ?」
バレてしまった。思い浮かんだ最悪の結末は僕と雄也が殴り合いになり離れ離れになってしまう事だ。それだけは避けたい。
「お前ら2人どっちか前に出ろ、殴り殺してやる。」
おっと、予想とは違ったがまずいことになった。
「どうすんだよ、お前喧嘩とか出来んの?」
雄也が囁くように耳元で話しかけてくる。
「特に答えないでおくけど、言えるのは僕には無理だ。」
その途端幸也が走り出して目の前に来たと思うと雄也の顔の前に拳があった。
殴り飛ばされた雄也は1mほど飛んで地面に倒れ込んだ。
「おっせぇ、早く決めないなら俺が片してやる。」
目が狂っている。まるで薬物中毒者のような目をさらけだし。睨みつける。
「雄也!!!」
助けなきゃ、でも僕にできるのか?
「そこで眺めてるだけなのか?つくづく不愉快だ。お前みたいな性格が、大嫌いだ」
その時。俺の堪忍袋の尾が切れたプツンという音が聞こえた。
その瞬間、俺は頭まで足が上がって、幸也の頭を蹴り飛ばしていた。
殴りあっていたヤツらも呆然として腕を止めてこっちを見ている。
「昴?」
雄也は困惑して顔を見上げている。
「待ってて、あんなやつ、すぐ殺せる。」
あいつの、昴の口調じゃない。まるで別人みたいだ。
「っっっ、、クソが、いいじゃん、楽しくなってきた。」
「黙れ自己中短小野郎。」
今俺は虫の居所が悪いんだよ。
蹴りかかってくる足をつかみ転ばせる。
しようとした途端幸也は体をひねり、耐える状況にして、拳を顔に投げ出す。
首を曲げて拳をかわし、幸也の顔の目の前に自分自身の顔を近ずけ、
「醜いな、お前」
幸也は引きつって血管が浮きでる顔をした。
昴はその後右足を見たことないくらいにあげまたもや幸也の顔を蹴飛ばした。
次は倒れて地面に顔を打ち付けると、体を回してサッカーボールのように顔をフルスイングした。
「昴!そんな必要以上に顔を攻撃すると!意識がなくなって死んじまうぞ!!」
関係ねぇ。黙れ。
意識がなくなったことを、確認すると雄也に近ずいた。
「昴、、、本当にお前か?」
「お前は、俺の戦いを邪魔した。殺す殺されるの戦いで殺すな?バカにしてんのか」
「すば、、、、る、、??」
「本当に鬱陶しい。ぐちゃぐちゃにしてやる
、何もかも!!」
意識がなかったんだ。この俺は、俺じゃなかった。
-2ヶ月後-
「第3部隊は南方面へ、第4部隊もついていけ、任務完了次第伝えろ。」
俺は阿曇磯良というひとつのグループをまとめる総長になっていた。
今ある隊は全五隊。第3部隊と第4部隊は北側の阿加流比売神の占領をしに向かった。
「総長!!熱田大神が宣戦布告です!」
「日にちは?」「12月25日!!」
今の日時は12月1日3時半。決戦までは24日。
「決戦までに北側の阿加流比売神を占領し東日本、東北、北海道を我が阿曇磯良の領地にしろ。西日本、九州を占領してるあいつらに勝つにはそれしかない、軍隊の人数を倍以上にするんだ!」
「ハッッッ!!!!!」
敬礼をした。
決戦は12月25日、クリスマス当日。
熱田大神の総長、「胡桃ヶ丘雄也」、あいつの首がクリスマスプレゼントだ。
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