ホワイトアウト

錦木

ホワイトアウト

p1

 寒くなってきたな。

 曇天の空を仰いで霧谷きりたにトウジはそう思った。

 こりゃ雪が降るのも時間の問題だ。

 暖房の設定気温を上げる。

 さて、途中の書類を仕上げてしまうかと椅子に座ろうとしたとき部屋をノックする音が聞こえた。

 誰だ?こんな時間に。

 時計を見るともうすぐ日付が変わる時刻である。

 たく、面倒臭い。

 まあノックをするだけマシかと思う。

 椅子から立ち上がりドアノブに手をかける。

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