🔮📕ゆかり@紫式部の潜入日記・島津編・前編

※元ネタのゆかり@紫式部は、【🔮地獄の根暗・パープル式部一代記 https://kakuyomu.jp/works/16818093084506805908 】の主人公、🔮文系武闘派ゆかり(紫式部or藤式部)です。


 ここから読むと訳わからないと思いスピンオフになりますので、ぜひともSeason・1を先にご覧になることを、(もしくは後に)お勧めいたします。


(🔮なぜこんなことになったかというとね……また作者のモネがやらかして、この日記をに上げてしまったからです……またわたしに被害が……年末ぎりぎりまで、バカたちのあと始末……)


 ***


〈 平安時代、中宮・彰子あきこちゃんが入内して、藤式部@ゆかりが家庭教師をしていた頃 〉


 根暗の藤式部@ゆかりは、いつものように追い剥いだ(セルフレンタル)の珍妙な十二単を着たまま、母屋で彰子あきこちゃんの相手をしていたが、「はっ! 降りてきた――!」なんて、がばりと立ちあがると、彰子あきこちゃんの声援を背中に母屋をあとにして、自分のつぼねの文机にむかっていると、清涼殿の方角からかやってきたこと安倍晴明あべのはるあきが、藤壺の庭先で「降りてきたっ! こ、こんどこそ成功させるぞっ! シン・呪法!」なんて言いながら、変なステップを踏んでいるのに気がつき、うるさいので気が散ると、御簾を出て石の枕を投げつけていた。


 手から投げられた石の枕は、晴明はるあきに直撃するかと思われたが、そのときである。がぱっと振り向いた拍子に、彼の「シン・呪法! !」の角度が変わってしまい、ついでにもって、案の定ゆかりと周囲を包んでいた……。


「あ、成功したけど……どこに行ったのかな? ま、いいか……」

「よくね――よっ! ゆかりは、俺の大事な政治のスペシャル駒だぞ!? すぐ探せっ!」


 そんな風に、通りかかった道長にどやされた晴明はるあきは、めんどくさいなと思いながら、渋々ゆかりを探していた。


「あいたたっ! あの変なじじいっ! どこだここ?」


 が、その頃、ゆかりは遥か未来、島津義弘しまづよしひろ(十九歳)という、のちの、戦国武将の初陣少し前に、『バールのようなもの』と『石の枕・その他平安の文房具セット』と一緒に、現代の九州にある山奥へと落っこちていたのである。


「山の上に城? 京ではない?」


 雅やかな王朝恋愛絵巻専門作家のゆかりは、とんでもなく意味ないところに(自分目安)やってきてしまっていたと、暗黒色のまなこを更に暗くしていた。


 なにもわからないゆかりは、とりあえず袴をたくし上げ、その辺にあった山小屋にぶら下がっていたワラの草履を、「おや、ちょっと拝借……」なんて、いつものように頂戴すると、なんなんだ一体と思いながら、「ギャ――山姥!」なんて逃げた木こりが全速で山を駆け下りる背中を見ていた。「ま、とりあえず小屋をお借りするか……」適応能力の高い、元々貧乏貴族の娘ゆかりは、「うまいなコレは……懐かしの味……」なんて言いながら、勝手に芋がゆ(主食の方)や茹でた青菜を食べていた。


「え? 山姥? なんの話!?」


 その頃、『釣り野伏せ』の最終打合せをしていた少し緊張ぎみの若武者、島津義弘しまづよしひろは、足軽から伝言ゲームで上がって来た報告に困惑していた。


 ゆかりが落っこちた山には、彼の目標、岩剣城いわつるぎじょうがあったのだ。

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