第5話:世界でたったひとりの・・・。
ナールを家に連れて帰った
もともと立照はナールが好きだった訳だし、箱から出てきたナールは誰でもいいから助けてほしくて立照に抱きついた。
どちらにしても今のナールは立照を頼るしかなかったのだ。
昨日まで殺風景だった立照の部屋が、キャピキャピな女の子が来たことでめちゃ
明るくて賑やかな部屋になった。
「タッちゃん・・・これからなにするの?」
「そうだね、ナールをずっと眺めてたいかな」
「そんなに眺められたら私、穴が空いちゃうよ」
「僕はバイオロイドの君に興味津々だから君のこともっと知りたい」
「いろいろ聞きたいこともあるし・・・隅々まで調べてみたいし・・・」
「隅々までって?・・・タッちゃん、エッチだね」
「エッチじゃなくて・・・それはね、科学者としての純粋な好奇心と探究心だよ」
「違うよ・・・絶対エッチだよ」
「じゃ〜私のシュミレーションゲームの中でタッちゃんは私になにしてたの?」
「それはほら、一人前の風俗嬢にするために眠る時間も削って頑張って君を
育ててたの・・・」
「エッチいことしてたでしょ?」
「そりゃそう言うゲームだし衣装着せ変えたり、お風呂に入れたり・・・
その他いろいろと・・・そもそもアダルトゲームだし・・・」
「エッチしたんでしょ?バーチャル空間の中の私と・・・仮想現実の中で」
「したけど・・・だけど体感はないよ、シミュレーションなんだもん」
「僕は全然気持ちよくないし・・・ただ君と疑似体験できるってだけで・・・」
「でも、今はここにナールがいるんだからもう無理にゲームする必要
ないだろ?」
「だから目の前の君ともちゃんとエッチできるかどうかは僕にとっては
とっても重要なことなの・・・分かる?」
「あのね、私はシミュレーションゲームの中の私と遜色なく作られてるんだって、
私のお父さんがそう言ってたよ」
「だから心配しなくてもちゃんとエッチだってできるんだよ」
「それなんだよな、ゲームのキャラの模倣って言ってもナールは世界でたった
ひとりのバイオロイドだろ?・・・他にバイオロイドの存在聞いたことない
もんな・・・」
「だから君を作った人は天才だよ・・・お父さんだっけ?・・・その人の名前
とか知らない?」
「知らない・・・本当は私、バッドピーポーの人たちに誘拐されちゃったみたい」
「たぶんタッちゃんの研究データと交換するためだったんじゃないのかな?」
「あっと言う間に
「箱から出た時、とりあえずタッちゃんに助けてもらおうと思って・・・」
「あ〜それで僕にいきなりダイブして来たのか?」
「あの時はね・・・でも今は違うよ・・・私、今はタッちゃんのこと好きだし」
「ありがとう・・・僕はもともとナールのことが好きだったから
今更、改めて好きってのも気恥ずかしいけど・・・その・・・」
「いいよ分かってるから・・・私のこと大大大好きなんだよね」
「いやいや、大大大大大大大好き×100だよ」
「うん・・・相思相愛だね私たち・・・あはは」
ナールは笑ったあとすぐに真顔になって首をかしげた。
「あれ?・・・ん?ちょっと待ってタッちゃん」
「ん?どうした?・・・なに?」
最初に異変に気付いたのはナールだった。
「そうね〜今はエッチできるかどうかって話してる場合じゃなさそう〜」
「え〜いい感じだったのにな〜・・・なんなの?いったい」
「表に危ない人たちが来てるみたいだからタッちゃんはゴキブリみたいに
うろちょろしないで、そこでじっとしてて」
ナールは
「危ない人たちって、もしかしてバッド・ピーポーのやつら?」
「USBの中身がおネエちゃんのエロい写真だってバレタか?」
「そこはよく分かんないけど・・・」
「この家囲まれてるのはたしかだし・・・もしかしてバッド・ピーポーが雇った
傭兵さんたちかもね」
「武装集団がいるってことは話し合うつもりはないみたい」
「なんでそんなこと分かるの?」
「私、壁があっても外の様子、全部透視できちゃうから・・・」
「自衛隊の無線だって逐一傍受してるし・・・」
「え〜そんなSFみたいなことできるんだ・・・じゃ〜そのぶんだと瞬間移動でき
たり、空飛んだりしちゃいそう・・・骨格だってアダマンチウムでできてるとか?」
「タッちゃん・・・Xメンとかじゃないんだから」
「私はフードルなの、エッチに特化した可愛い系アイドルなんだよ・・・」
つづく。
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