幸福という名の苦痛

極彩色

第1話

君達は今生きていて幸福だろうか


僕は生きているのが幸福苦痛







少し冬の香りが混ざった秋風が体から体温を奪っていく



学校が爆発でもしないものかそんな思いを口には出さずに心の中で浮かばせているとふいに後ろから暖かい何かが当たる


朝からそんなイタズラのようなことをしてくる人物は一人しかいない

「こんな朝から元気だな。名夏」

そう言うと後ろにいた人物は俺の隣まで来る


「おはよ!名雪なゆき!これあげる」


「おはよ、名夏。貰っとく」

俺に飲み物を渡してきたのは甘雨名夏あまうめいか俺の幼馴染で変人だ


「相変わらずくっら〜い雰囲気纏っててこっちまで暗くなりそうだわ〜」

少しバカにしたような口調で名夏はそう言う


「暗くねえよ俺は明るいわ。お前が明るすぎるだけだろ」


「えっ…それって褒めてる!?」


「貶してる」


「ひっどぉ!泣くわ」


「勝手に泣いてろ」


その後も俺たちは他愛もない話をして学校へと向かうのだった

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幸福という名の苦痛 極彩色 @ruisyousetu

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