百合の間に挟まりたい俺が世界の危機に立ち向かうだけのお話

園業公起

第1話 大ミルキーウェイ帝国皇太子に生まれ変わりました。

 ただ俺は愛し合う誰かの間にいたかっただけなんだ。












 それの何が悪い?






































 Lily lies in lie.












 俺は百合に挟まるべき人間であると信じている。


「何だよその戯言。いみわかんねーわよ」


 目の前の自称女神を名乗る存在が俺をまるでごみを見るような目で見ている。


「こっちの手違いでトラクターでひき潰したのは詫びるわよ。でもあなたのその考えはきついの一言だわ」


 俺を落ち度であってもトラックで轢かないあたりにこの女神の杜撰さとダメダメな管理能力が現れていると思う。


「だから落ち度なんでしょ!こっちのさぁ!」


 女神が逆切れを始める。うぜえ。


「とにかく異世界に行くならチートあげるわ。それでこっちの落ち度は示談でいいでしょ?」


 いやだね。異世界行ったらチーレム無双だろ。百合に挟まれないじゃん。却下却下。


「なんで百合にこだわるのよ…。百合に挟まるのとハーレムするのと何が違うっていうのよ!」


 全然違うだろうが!もういいよ!だから女は嫌いなんだ!男のロマンの違いがわかってねー!m4とhk416の違いもわからないくせにどっちも鉄砲で所とか言っちゃうのマジでぜっきょだからな!


「女嫌いなくせになんで百合に挟まりたいのよ。理解できないわ」


 だって別に俺は女の子に好かれたいわけじゃない。でも女体は好きなのだ。女の子同士がお互いに好意を向けあっている間に俺は彼女たちの間に挟まって性を貪る。最高のWIN-WINじゃないか。


「いやいや百合っ子たちが損してるじゃない!あんたの存在が余計の一言だわ!」


 あーもう口塞げようっせーな。とにかく異世界はノー。行く気はない。


「じゃあ現世に蘇りたいってこと?それは規定違反で」


 俺はお前を「神」とは考えてないんだ。だからお前のルールを俺に押しつけるな。いやだいやだほんと。おまえってさぁ典型的なデウス・エクス・マキーナでしょ。宗教的な意味での神じゃないわけじゃん?おれさぁ神学的意味信仰的な神と舞台装置としての神をごっちゃにするほど馬鹿じゃないのよ。


「あー。わかったわかった。あんたがとてつもなくめんどくさい奴だってことがわかったわ。はいはい。わたしは女神じゃございませんわ。なにかこう舞台装置的存在であってご都合的何かでいいわよね?」


 そうだよ。なんだやっと弁えるようになったか。次からはちゃんとトラックで手違いしろよ。


「そこは引きずるのね。とにかくこっちの都合をいうとあんたの死は遺憾ながら私のミスでなんらかの補償をしないといけないの。私困るの。おーけー?」


 おーけー。じゃあさっくりと生き返らせろ。俺は百合を探しに行くんだ。


「だから出来ねーって言ってんだろうが!」


 はぁ!ざけんな!百合に挟まらせろ!


「それも無理。だからこうしない?あなたを現代によく似てるけど微妙に違う感じの異世界に飛ばすわ」


 それジャンル大丈夫?現代ファンタジー?異世界ファンタジー?あとゲーム世界転生嫌いなんだ。遠慮しておく。エロゲーに飽きたと思ったら、ntrゲーと乙女ゲーばかりが氾濫している現代ラブコメにはうんざりしてるんだ。


「腹立つわー。まじで注文が多いわねぇ。イライラするぅ」


 とにかくさあ現代で百合に挟まれたいの。わかる?俺のこの欲望いのり


「……ねぇ。でもよく考えて。現代よりも現代っぽいくらいの異世界の方があんたの願いも純度が上がるわよ」


 どういうことだ?初めて建設的なこと言い出した感じだな。


「っち!だから現代っぽい異世界ならリアルと違って顔面偏差値もおっぱいもくびれもしりもまじでやべぇってことよ!」


 転生します。


「うぜぇえええええ!所詮チンポで考えてる雄まるだしね!もういいわ!はいチートチート!」


 ぐあああああああああああああ('Д')


「転生ゴー!」


 にやぁあああああああああ(´・ω・`)


















Lily lies in lie.














 そして俺は赤ん坊からおギャーしてしまったのだ。



 そしてこの大ミルキーウェイ帝国帝都天の川市にて育ったのだ。




 しかも皇太子としてな!


 しかもハーレムが確約状態でな!



 許せねー!あの女神(自称(笑))め!




 この大ミルキーウェイ帝国は銀河系を全て支配する大帝国だ。なおSFチックで人型兵器とかが戦場を飛び交っている。

 なお宇宙物で絶対にツッコミが入るはずの浦島現象は、□□□□により発生しないという。



 当然俺は百合に挟まれたい。だから皇太子としての身分を隠し市井の学園に通っている。



 ただこの世界、あのビッチ(自称女神)が言っていた通り顔面偏差値は高い。百合には期待できそうだぞ!



















美甘みかも……ちゅ……れろ……」


礼羽らいはちゃん…んっ……あ……」


 



 それを見つけたのは俺が保健室にさぼりに来た時だった。ベットで横になって国家予算で百合ゲーに課金していた時に隣のベットから聞こえてきたのだ。俺はすぐに魔法を使ってミニドローンを透明化して隣のベットの上空に飛ばした。


「むほぉ!やべぇ!ぎんぎんじゃん!」


 俺のスマホにはピンク色の髪の毛に同色の瞳の美少女と、金髪碧眼の美少女が乳繰り合っているが映っている。はいけってーい!この子たちの間にはさまーる!絶対に挟まってみせる!俺はもうびんびんになっていた。だけどとりあえず放課後まで寝ることにした。








 そして放課後に目を覚ました。なにやら周りの空間がおシャンティになっていた。なんか異空間っぽい。そして外を見るとさっきの二人が女子受けの悪そうな男好きするタイプのぴちぴちエロエロなスーツを纏って空を飛び交いながらビームやら接近戦やらで戦っていた。


「わたしは愛する人がいるこの世界を守る!」


「……愚かね。この世界は所詮……空蝉のような泡沫の悪夢でしかないのに……」


 戦闘は激化していく。


「きゃああああああああああああああああ!」


「はぁはぁはぁ……今日のところは生かしてあげる。次に邪魔をしたら生かしてはおかないから……」


 ピンク色の方が地面に倒れてしまった。そして金髪の方がワープで消え去る。するとピンクの少女のコスチュームが学園の制服に変わり、おシャンティ空間も日常に戻ったのだ。


「……うう。負けちゃった……でも次は絶対に止めてみせる。だってライハちゃんを守らなきゃいけないんだから……あんなブロンドの痴女には負けられない……」


 いやいや。何言ってんだ?さっきお前が戦っていたの、お前の百合ラバーやんけ。俺は首をひねった。気になって保健室から出る。すると廊下で金髪の方とすれ違った。


「……わたしはそれでも世界を壊す。でもミカモ。あなただけはこんな偽りの世界から救ってみせる。それにしてもあのピンク色の痴女手強いわね」


 あ、お互いに正体に気づいてないパティーンだこれ!変身後は他人に見えてるやつー!俺から見れば正体バレバレだったんだけど!どういうことなの!






 こうして俺の百合に挟まりたい願望は複雑すぎる事情のもとに始まったのである。













 次回予告!



「殿下。皇帝陛下が崩御なされました」


「だからなに?!俺は朕になるつもりはねー!」


 だがその抵抗も虚しく俺は朕になってしまう。


「神聖アンドロメダ共和国は大ミルキーウェイ帝国に宣戦布告しまーす!」


 突然始まる侵略!


「くくく。すべては我等が計算通り……ウラシマ計略は今果たされる……」


 戦争の裏で蠢くなぞの組織の陰謀!


「朕自身が帝国になることだ」


 果たして俺は百合の間に挟まれるのか?!



次回 『百合臨む天子』





 







 

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